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マイクロソフト、Windowsサーバープラットフォームの管理ソフトウェア「MOM」


 マイクロソフト株式会社は、Windowsプラットフォーム向けのサーバー管理ソフトウェア「Microsoft Operation Manager 2005(MOM)日本語版」を12月1日より発売する。

 MOM 2005は、エージェントをインストールした管理対象サーバーからイベント情報を収集・分析して、稼動状態やパフォーマンスを把握するイベント・パフォーマンス管理と、この情報に基づいて、障害発生時やパフォーマンスの劣化の際の対策として必要な処理を自動化できるソフトウェア。冗長構成による大規模運用にも対応しており、稼動にあたってイベントログの格納のために必要なSQL Serverの機能を用いて、長期間のログを比較・分析するレポーティングも行える。


マイクロソフト株式会社サーバープラットフォームビジネス本部 IWインフラストラクチャ製品グループ マネージャー 寺田 和人氏
 MOMによりサーバーの管理を行うためには、対象となる製品に対応した「管理パック」が必要になる。管理パックは、「障害やパフォーマンスの劣化などの問題が発生した際に、イベントIDなどをトリガーとして、エラーの通知や自動処理を行う」(マイクロソフト株式会社サーバープラットフォームビジネス本部 IWインフラストラクチャ製品グループ マネージャー 寺田 和人氏)スクリプトをはじめ、「Webや書籍でしか手に入らなかったような、サーバーの管理に必要なナレッジなどが詰め込まれている」という。管理パックはウィザードによりMOMサーバーへのインポート/エクスポートが可能となっている。

 マイクロソフトでは、Windows Server 2003、MOM自身、Systems Management Server、SQL Server、MBSAなどの「Windowsサーバー製品の開発部門が開発した」管理パックをMOMのパッケージに同梱する。また12月中旬より、順次Webサイトでその他のサーバー製品の管理パックを無償ダウンロード提供していく予定。また今後発売する製品では「パッケージに同梱する場合もある」とした。

 また同じく12月1日より発売される「Virtual Server 2005」を用いて構築された仮想環境についても、MOMの管理対象となる。Virtual Server側では、MOMのアラートをトリガーとして、自動的に別の仮想環境を起動するといった動作をスクリプトにより設定できる。

 他社のミドルウェアやユーティリティなどについても、「管理パックは、対象となる製品開発ベンダーに提供してもらうポリシー」とのことで、VERITASではバックアップソフト「VERITAS Backup Exec for Windows Server」を、Citrixではリモートアクセスソリューション「MetaFrame Presentation Server」をMOM対応とする管理パックを発表している。

 またサーバーハードウェアについても、CPUやディスク、電源、ファン、ネットワークなどの「ハードウェアモニターが監視できる」機器の状態をMOMで一元管理できる管理用パックが、米IBM、米HP、米Dellなどから提供される。


管理対象サーバー全体の状況を俯瞰できるダイヤグラムビュー 対象となるサーバーを集中管理できるMOM管理コンソールの画面 エラー内容の詳細を把握できるMOMオペレータコンソールの画面

 このほか他社のシステム管理ツールとの連携も可能となっている。これはXMLベースのMOM Connecter Framework(MCF)により実現されており、「ほかの管理製品と連携するAPI」との位置づけだ。寺田氏は、「MCFの機能により、管理パックのノウハウを他のツールで利用できる。また他社の管理ツールとの連携によるUNIXやメインフレームとの一元管理だけでなく、拠点と本社間でMOM同士を階層化して連携するこニも可能になる」とした。

 価格については、MOMが稼働するサーバーのライセンスと、エージェントを導入する管理対象サーバー1台ごとのOMLライセンスが必要となる。サーバーライセンスは、OMLが10ライセンス付属するフルパッケージプロダクトが129万円、ボリュームライセンスでの販売のみとなるオープンライセンスが12万7000円、セレクトライセンスが8万200円となる。またMOMのみで利用可能なSQL Serverが同梱するライセンスも用意されており、オープンライセンスが28万9000円、セレクトライセンスが18万2900円。OMLはオープンライセンスが9万4200円、セレクトライセンスが5万9700円。この価格について寺田氏は「ほかの管理製品と比べても競争力のある体系」との見解を示した。

 なおマイクロソフトでは、携帯電話からMOMのイベントやアラートのほか、発生した障害のナレッジも閲覧可能にするモジュール「Microsoft Operation Manager 2005 Mobile Phone Console」を国内向けに独自開発し、2005年1月より無償ダウンロード提供する予定。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2129
  Microsoft Operations Manager 2005
  http://www.microsoft.com/japan/management/mom/default.mspx

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( 岩崎 宰守 )
2004/11/30 19:57

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