日本電気株式会社(NEC)は1月4日、サーバーを介さず端末同士でファイルなどのやりとりを行うPeer-to-Peer(以下、P2P)技術を用いたコンテンツ流通・情報発信用途向けソフトウェアライブラリ「P2Pwebプラットフォーム」を開発したと発表した。2006年度の実用化を目指す。
P2Pwebプラットフォームは、P2P形式を利用したコンテンツ流通などのアプリケーションを構築できるソフトウェア基盤。情報を効率的に管理する分散ハッシュテーブル(DHT)技術を利用して、サーバーを介さずに端末同士で情報を交換する大規模なネットワークを実現する。同社では「将来的には100億人規模」が参加できるネットワークに向け研究開発を進めているという。
また、暗号技術によるアクセス制御を行うことで、ネットワーク上にメンバーが限定されたユーザーグループを作ることができ、グループ内の閉じたコミュニケーションやグループをまたがった情報交換などが行えるようになるという。
P2P技術を利用した不特定多者間のコミュニケーションを実現するアプリケーションは、これまでコンシューマの一部ヘビーユーザー向けが中心であったが、同社では「企業においてもバーチャル組織での情報共有などさまざまな利用シーンが考えられる」としている。
また、デジタル著作権管理(DRM)技術を利用してコンテンツ流通経路の特定や、著作権保護などのセキュリティ機能を用意することでセキュアなコンテンツ流通が可能とする。これにより従来のP2Pソフトで横行していた違法コピーや不法コンテンツの流通を防止することで、アングラなイメージを払しょくし、企業・個人両分野での利用拡大とサービス事業の展開を狙う。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0501/0402.html
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( 朝夷 剛士 )
2005/01/05 15:59
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