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IT部門の“立ち位置”を確認するコンサルティングサービス


ITエンパワード分析の概要を表したクアドラント

ITアーキテクチャ戦略グループ マネージングディレクター、原田龍一氏
 ベリングポイント株式会社は、企業のIT部門の現状を分析するコンサルティングサービス「ITエンパワード分析」を、2月1日より開始すると発表した。これは、ベリングポイントのIT環境分析サービス「IT QuickScan」の一部として提供される。標準的な価格とコンサルティング期間は、同社の顧客に多い年間売上高1000億円程度の企業で、2000万円、8週間という。

 ITエンパワード分析では、IT部門が現在どのポジションに位置しており、また今後目指すポジションはどのような姿であるのか、を分析するコンサルティングサービス。これまでのIT QuickScanが、主にIT部門の中を調査・分析するサービスなのに対して、今回のサービスでは、経営陣や取引先ベンダなど、部門外へのヒアリング調査なども行い、社内におけるIT部門の位置付けの改善までを含めて、総合的にそのあり方を分析するという。

 同社のITアーキテクチャ戦略グループ マネージングディレクター、原田龍一氏によれば、現在のIT部門はコスト削減による部門内リソースの減少などを受け、弱体化が急速に進んでいるという。そしてこの結果、アウトソーシングなどの外注管理が不十分になる、教育まで手が回らずに十分な教育が行えない、といったIT部門の空洞化がおきてしまっている。

 そこで同社では、IT部門の現状の“立ち位置”を、IT活用度(主に管理能力など)とITケイパビリティ(主にITスキル)の2つを軸にして、両方の能力がともに高い「ビジネスエンパワード型」、IT活用度は高いがケイパビリティは低い「マネージメント型」、その逆の「スペシャリスト型」、ともに低い「パラダイムシフト型」の4つに分類。それぞれのタイプに応じた施策をコンサルティングする。

 この際に注意しなくてはならないのが、すべての企業が必ずビジネスエンパワード型を目指す、というものではない点。たとえば、ある企業のIT部門がスペシャリスト型と診断されたとしても、アウトソーシング管理が部門の主な仕事である場合、あえてITスキルを充実(維持)する必要はない。その際には、ITILなどの導入による運用管理手法の標準化を行い、マネージメント型を目指す、といった選択肢も考慮する必要がある。そのためITエンパワード分析では、IT戦略、プロセス、テクノロジー、コスト、組織/要員などの各項目から、その企業にとって最適な“ITクイックヒット施策”をまとめるという。

 ベリングポイントでは、特に業種を限定せず、大規模な情報システムを持つ企業、商流を伴うステークホルダー(利害関係者)の多い企業を中心に販売を行い、1年間で12社への導入を見込んでいる。



URL
  ベリングポイント株式会社
  http://www.bearingpoint.co.jp/


( 石井 一志 )
2005/01/18 18:21

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