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Sun Java Studio Enterprise 7
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クライアント・ソリューション統括本部アーキテクト 藤井彰人氏
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IDE用のインスタントメッセージ機能
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サン・マイクロシステムズ株式会社は1月19日、JavaアプリケーションのIDE(統合開発環境)の最新版「Sun Java Studio Enterprise 7(以下、JSE7)」を発売した。出荷は1月下旬より。
JSE7は、J2EEをはじめとしたJavaアプリケーションのIDE。同社のアプリケーションサーバー「Java Enterprise System」上で動作するアプリケーションの開発を主な対象としている。同社ではJava開発環境として、ほかにもオープンソースの「NetBeans」や、Visual Basicライクな「Sun Java Studio Creator」などを用意しているが、プロダクトマーケティング本部 本部長の纐纈昌嗣氏によると、JSE7は「プログラムだけでなく大規模なシステムの開発者向け」ツールと位置づけられている。
9カ月ぶりのバージョンアップとなるJSE7は、UML(Unified Modeling Language)2.0に準拠した米Embarcaderoのモデリングツールを内蔵した。「アウトソースやオフショア開発を利用する企業が増えており、主要な共通言語が必要となっている」と話すクライアント・ソリューション統括本部アーキテクトの藤井彰人氏は、JSE7のテーマとして「Java開発者にUMLの洗練された設計のメソトロジーを提供すること」と語った。なお、UMLモデリングツールのスタンダードとされている「Rational Rose」のプロジェクトをそのままインポートすることも可能だという。
また、プロファイリングツール「アプリケーション・プロファイラ」を実装し、負荷生成と計測によるパフォーマンステストを開発の早い段階から行うことができる。
さらに開発者間のコミュニケーション機能としてIDE用のインスタントメッセージ機能が組み込まれている。これによりテキストのほかJavaやHTML、XMLなどの形式でメッセージ交換ができるほか、開発者間でのファイル共有が可能。
J2EEアプリケーション開発は、EclipseやNetBeansなど無償のオープンソースツールが広まっており「JSEのような有償のツールは苦境に立たされている」(藤井氏)。これに対しJSE7では単なるJ2EE開発だけでなく、もっと大きな範囲での開発ニーズに対応するという。例として藤井氏は、複数のWebアプリケーションを統合しポータルサーバーへ配備する場合や、シングルサインオンのアプリケーション開発などを挙げた。
対応プラットフォームはSolaris 8以降とWindows 2000/XP。価格は、導入企業の従業員数によるサブスクリプションモデルと、通常のライセンス方式の2つの体系が用意されている。サブスクリプションモデルは従業員数1000人以下の企業において年間55万円(税別)。ライセンス方式では開発者1人あたり28万4000円(税別)。なお、JSE7にはJava Enterprise Systemの開発者向けライセンス、およびサンの開発者向けコミュニティ「Sun Developer Network Standard」への1年間のアクセス権が付属する。
■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
プレスリリース
http://jp.sun.com/company/Press/release/2005/0119.html
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( 朝夷 剛士 )
2005/01/19 19:12
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