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SAS、経営情報を可視化し、戦略の実行プロセスを支援するソリューション


 SAS Institute Japan株式会社は、BIプラットフォーム「SAS 9.1」を基盤に、経営情報を可視化して意思決定プロセスを支援する「SAS Financial Intelligence」の製品群である「SAS Financial Management 4.0」、「SAS Strategic Performance Management 2.0」と、「SAS Activity-Based Management 6.2」の日本語版を2月3日より発売する。同社では初年度に15社への提供と2億円の売り上げを目指す。導入期間は最短3カ月程度からで、価格は1500万円程度からとなる。


SAS Institute Japan株式会社 代表取締役社長 堀昭一氏
 SAS Institute Japan株式会社 代表取締役社長 堀昭一氏は「BI業界が前年比50%増の大きい伸びを示した背景には、リスクマネジメントの必要性が増えたことが影響している」と述べ、金融での「BASEL II」などのオペレーショナルリスク関連、自動車業界やデジタル家電、半導体といった製造業での製品品質の事前予測、検証の重要性を挙げた。そして「落ち込んだ国内経済の回復は遅れているように見えるが、裏の見えないところで新しい構造変化が着々と起こっている」とし、ここでBIが有効活用されているとした。

 また2004年から欧米で展開されたSAS Financial Intelligenceが高い注目を集めている背景として、「欧米では、ここ数年、企業トップや経営層の策定した企業戦略が、実行されないために結果が出ず、上層部の解任につながることが、頻繁に起きている」とした同氏は、「国内でも同様に、戦略を結果につなぐパフォーマンスマネジメントが求められる」とした。


米SAS Institute ワールドワイド・マーケティング事業部 パフォーマンス・マネジメント・ソリューション担当ストラテジスト ゲーリー・M・コーキンス氏
 Performance Managementは、「戦略を結果に導くために、組織のパフォーマンスと戦略を管理するための方法や測定、過程、ソフト、システムの手法が統合されているメソドロジー」とした同氏は、SAS Financial Intelligenceについて、「狭い範囲のプランニングや予算管理ではなく、CRM、SCMを包括し、ベースとなるERPといったシステムの上位に位置して相互にデータを連携、その価値をより高める」ものとした。

 同氏は例として「Siebel CRMのデータを管理し、どんなタイプの顧客がより収益性が高いかを考えてマーケティング予算を集中できる」とし、「通常ならマーケティングコストの削減を迫る立場のCFOが、マーケティング統括者を支援するのは大きな方向の転換といえる」とした。

 また「ERP導入で、実際に予期したROIを実現した企業はないだろう」とした同氏は、「いかなる組織でも、いかに迅速に正しく情報を意思決定者に伝えるかが成功につながる」と述べ、「ERPの上に、SAS Financial Intelligenceへ少し予算を割くだけで、大きなROIのリターンが得られる」とした。こうしたトランザクションシステムからのデータを、リアルタイムにバランススコアカードに結びつけて分析することで、経営意思決定に必要な予測シナリオやプロアクティブな対策を提供できるという。


企業の成長曲線の分かれ目は、企業戦略を実行に移せるかどうか 戦略を企業活動とITシステムに反映させるため、スコアカード分析を活用する

SAS Financial Intelligenceの構成イメージ
 SAS Financial Intelligenceの製品群は、トランザクションデータを集めるETL Server、パフォーマンス管理に必要なデータを利用するためのDWH、分析エンジン、これにあわせたデータマート、KPIを意識したモニタリングエンジンなどなどから構成される。そして同じデータから、バランススコアカード、品質管理の手法であるシックスシグマ、活動基準原価計算のABCなどをもとに、それぞれの企業にあわせた分析軸を柔軟に構成、管理できる。分析結果はポータルをインターフェイスとして提供するほか、レポーティングの機能も備える。

 これにより経営管理や財務部門での経営戦略策定を支援する。またSarbanes-Oxley法(企業改革法)や国際会計基準、自己資本に関する規制である「Basel II」などのコンプライアンスへの対応も可能となる。


ポータルにより、各種の分析結果を一元表示するインターフェイスを提供する ABC分析でコストと売上、利益率の関連を表示し、一部顧客の経費増加を可視化できる Excelを用いて財務データのレポーティングも可能


URL
  SAS Institute Japan株式会社
  http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/
  プレスリリース
  http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/news/press/200502/03.html
  SAS Financial Intelligence
  http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/solutions/financial/

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( 岩崎 宰守 )
2005/02/03 19:22

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