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Oracle Application Serverの新版でRFIDへの対応を強化する日本オラクル


Oracle Sensor Edge Serverの位置づけ

Oracle Sensor Edge Serverの主な機能

オラクルのRFIDインフラ
 日本オラクル株式会社が、2月25日より出荷開始するOracle Application Server 10g Release 2」には、さまざまな機能強化が施されているが、RFID(無線ICタグ)への対応を大幅強化した新コンポーネント「Oracle Sensor Edge Server(以下、Sensor Edge Server)」は、特に流通業のユーザーなどで大きな目玉となりそうだ。

 Sensor Edge Serverは、受入・出荷・在庫管理などの業務で、リーダから送られてくる無数のRFIDデータを収集し、データベースやアプリケーションサーバーなどのバックエンドのシステムに渡す、いわば「RFIDにおける現実世界とITの架け橋に位置づけられる」(日本オラクル アドバンストソリューション本部 吉田允伸氏)もの。基本機能として(1)RFIDリーダ/ライタのシステムへのインプリメンテーション、(2)デバイスのグループ化とデータフィルタリング、(3)システムへのディスパッチャ、および、これらの集中管理機能やSDKを提供する。

 Sensor Edge Serverには、主要なRFIDリーダー/ライタのデバイスドライバがあらかじめ同梱されている。またOTN(Oracle Technology Network)から新デバイスのドライバも順次提供されるため、RFIDのシステムへの組み込みが容易となる。

 そしてリーダ/ライタから送られてくる無数のデータから、不必要なものをフィルタリングしてシステム側に配信することで、トランザクションを削減することができる。例えばRFIDタグをより確実に認識させるために複数のセンサーを設置する場合、1つのタグに対し複数のセンサーが信号を読み取り、重複が発生することがあるが、Sensor Edge Serverでこれらをマージして、システムに送ることができる。

 フィルタリングされたデータは、目的に応じてアプリケーションサーバーやデータベースへ、設定されたプロトコルに変換して送信する。万が一、途中で回線障害が発生した場合、データを一時的に保存(インターナルキュー)することで、データ消失を防ぐことができる。

 RFIDにおいては、リーダ/ライタの標準化が進んでいないことや、いかにしてデータをビジネスイベントにつなげるかなどが課題とされているが、「データ収集や管理、分析、アクセスにおけるポイントソリューションは各社から提供されているが、これらをワンストップで提供できるのがオラクルの強み」と、吉田氏は説明している。




URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2005/02/24 20:27

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