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ミラクル・リナックスなど3社、カーネル2.6採用の「Asianux 2.0」を7月リリース


発表会に参加した3社の代表(右から、ミラクル・リナックスの佐藤武社長、ハーンソフトのJong Jin Baek CEO&President、レッドフラッグのChris Zhao Executive President)
 ミラクル・リナックス株式会社、中国Red Flag Software Co., Ltd.(以下、レッドフラッグ)、韓国Haansoft, Inc.(以下、ハーンソフト)の3社は、「Asianux 2.0」を7月末にリリースする。3月2日に開催されたミラクル・リナックス主催のカンファレンス「MIRACLE Technology Conference 2005」で発表された。

 Asianuxは、2003年12月にミラクル・リナックスとレッドフラッグの提携により立ち上げられたOSS(オープンソースソフトウェア)開発プロジェクト。アジアのニーズに最適化したLinuxの開発と充実したサポートサービスを提供することを目的としている。2004年10月には、ハーンソフトが参加し、日中韓3カ国プロジェクトとなった。2004年6月にはIA32版のAsianux 1.0を、同年9月にはItanium 2版のAsianux 1.0を、2005年2月にはx86-64版のAsianux 1.0をリリースしている。

 今回発表されたAsianux 2.0では、Linuxの最新カーネルであるカーネル2.6を採用することで、パフォーマンスとスケーラビリティを飛躍的に向上させている。また、信頼性(Reliability)・可用性(Availability)・保守性(Serviceability)の3点を強化。3社ではこれを「RAS」と呼び、新バージョンの重点強化ポイントとして挙げている。そのほか、日本語・中国語・韓国語・英語をサポートしている。操作性では、レッドフラッグのクライアント製品で採用されたKDEベースのGUI「ReFineD」を導入。従来のLinux製品と比べて、操作性が向上している。

 対応プラットフォームは、x86/x86-64/Open Power。Itanium 2にはSP1で対応する予定となっている。今後のスケジュールとして、5月13日にベータ配布、6月24日にRC(Release Candidate)、7月22日にGeneral Availableと発表された。ミラクル・リナックスのAsianux 2.0である「MIRACLE LINUX V4.0」は、10月までに出荷する予定。


Asianux 2.0で強化されたRAS Asianux 2.0の強化点

ミラクル・リナックス代表取締役社長の佐藤武氏
 ミラクル・リナックス代表取締役社長の佐藤武氏は、「Linuxそのものが黎明期をすぎて成長期に入ってきた。MIRACLE LINUXも、データベースなどでの利用が伸び、2004年の6-12月期で昨年同期比で倍の出荷となった。これからはミラクル・リナックスが得意とするハイエンド分野やミッションクリティカル分野での需要が高まる」と述べた。先行してRed Hatが2月にカーネル2.6搭載製品を発表したことについて質問を受けると、「7月にAsianuxをリリースしてからMIRACLE LINUXとして出荷するまで3カ月近くかかるが、これはIHV・ISVから認証されることを重視したため。急いで出すよりも、クオリティの高いOSを出すことをユーザーは望んでいる」と、検証が確実に済んでから出荷すると説明した。


Asianuxの参加企業と各国政府プロジェクトの関係 Asianuxの開発環境。開発は北京で行われている Asianuxの開発体制と各社とのアライアンス


URL
  ミラクル・リナックス株式会社
  http://www.miraclelinux.com/
  中国Red Flag Software
  http://www.redflag-linux.com/
  韓国Haansoft
  http://www.haansoft.com/


( 福浦 一広 )
2005/03/02 16:00

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