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オートデスク、20番目のAutoCADなど19製品を投入

ロゴも一新し、ideas Realizedをスローガンに

同社の新しい会社ロゴ
 オートデスク株式会社は、AutoCADの新製品として20番目の製品となる「AutoCAD 2006」をはじめ、19種類の新製品を投入すると発表した。3月24日から順次出荷を開始する。

 また、今回の製品発表にあわせて、会社のロゴを変更するとともに、「ideas Realized(アイデアをかたちに)」を企業スローガンとし、「日本では、過去20年にわたって、CADの分野で製品を提供してきたが、欧米では、CADデータをマネージし、シェアするといった製品があり、日本でもこれから製品を提供できる準備が整った。CADだけでなく、広いソリューションを提供する企業へと進化を図る」(志賀徹也社長)と、日本での展開が新たなフェーズへと入ったことを強調した。

 同社では、デジタルデザインデータをクリエイトするだけでなく、マネージ、シェアといった部分にも製品を投入することで、トータルソリューションを提供していく考えだ。


生産性向上を大幅に図ったAutoCAD 2006

 今回投入するAutoCAD 2006は、設計現場における効率化を目的に、図面作成機能などを大幅に強化しているのが特徴。デジタルデザインデータの作成、管理、共有化の実現を可能とする基本製品と位置づけられており、プロジェクトの効率的な展開、生産性の向上、収益の最大化を図れるとしている。

 「第三者機関のレポートによると、AutoCAD 2005は、同2002に比べて、1週間で15時間もの効率化が可能になったという調査結果が出ている。同2006では、さらなる効率化が図られるのは明らか」(同社)と自信を見せる。


AutoCAD 2006は、デジタルデザインデータの作成、管理、共有化の基本製品に位置付けられている バージョンごとの生産性向上を表したグラフ

新製品ラインアップ
 AutoCAD 2006では、新たにダイナミック入力機能を備え、従来のコマンドラインから入力していたものをグラフィックカーソルを利用してダイレクトに入力。「これまで、作業者の視線が作業のたびにあちこちに向いていたものを、極力視線をそらさずに作業ができるようになった」(オートデスク・清水卓宏氏)という。

 また、ダイナミックブロック機能、属性書き出し機能、注釈機能の拡張、メニューカスタマイズ機能の追加など、作業の効率化を実現する工夫が凝らされている。

 ユーザーグループであるAUGIからの要求を製品に反映。「日本のユーザーグループであるAUGI-JAPANから出された要求トップ10のうち、4つの機能を新製品に追加した」という。

 日本のユーザーが図面上にタイトルなどのテキストを入力することが多いことから、これらのテキストのレイアウトが柔軟に行えるマルチテキスト機能や、JISで定められている円弧寸法の表記機能なども、日本のユーザーの要求を反映したものだ。

 価格は、AutoCAD 2006の新規製品が67万2000円。アップグレード価格は、AutoCAD 2005からが9万7650円、同2004からは19万9500円、同2002からは29万4000円。AutoCAD LT 2002以降からのアップグレードは、61万9000円となっている。また、インストール、設定からトラブルシューティング、メンテナンスまでのテクニカルサポートをWeb経由で受けられるAutoCAD Subscriptionの価格は7万1400円。


製造、建築、土木の全分野に新製品を投入

 そのほかに発表した主要な新製品としては、設計情報の管理やカスタマイズを必要としないユーザー向けの2次元汎用CADソフトの「AutoCAD LT 2006」、土木専用3次元CADの「AutoDesk Civil 3D 2006」、CADデータとGISデータを独自の地理空間ツールで連携する「AutoDesk Map 3D 2006」、製品設計データの管理などを行う「AutoDesk Inventor 10」、3次元CADソフトの最新版となる「AutoDesk Revit Building 8」、デジタルデザインデータのシェアを目的にオンラインコラボレーションを図るための「AutoDesk Buzzsaw」、DWFファイルで作成されたオリジナルの図面、地図データなどを閲覧やレビューに使用するための「AutoDesk DWF Composer」、「DWF Viewer」などがある。

 「製造、建築、土木といったすべての分野に対して、新たな製品を投入することになる。また、ニューヨークのグランドゼロに建設予定のフリーダムタワーでは、RevitとBuzzsawの組み合わせによる設計とデジタルデサインデータの情報共有が行われており、短期間での建設に大きく貢献している。そうした実績を持った新製品を日本に投入する」としている。


日本法人は売上高100億円を突破

代表取締役社長の志賀徹也氏
 また、会見の冒頭、志賀社長は、「本社は12億3400万ドルの売上高となり、米国で全体の8%しかないといわれる、ワンビリオンダラーカンパニーの仲間入りをした。いま、社内には、パワフルで、強いモーメンタムがある。会社ロゴの変更は今回で3回目だが、ロゴをシャープな形にし、いまの会社のイメージを表した。また、日本法人も100億円の売り上げを初めて突破したが、世界の売上高が前年比30%増であるのに対して、日本は32%増とそれを上回る実績をあげている。世界を上回る実績を日本があげることで、日本のユーザーの声を反映しやすい環境が維持できる」とし、「AutoCAD 2006は、日本のユーザーに最も喜んでもらえる製品になっている。とくに、作図機能の強化に関しては、ち密な図面を書きたいとする日本のユーザーに最適だろう」とした。



URL
  オートデスク株式会社
  http://www.autodesk.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.autodesk.co.jp/adsk/servlet/item?siteID=1169823&id=5376362&linkID=1158289


( 大河原 克行 )
2005/03/17 18:21

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