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アドビ、PDFのアクセス権限を“いつでも”“自由に”変更できるサーバーソフト


 アドビシステムズ株式会社は3月23日、PDFへの各種操作権限を管理できるサーバーソフトウェア「Adobe LiveCycle Policy Server(日本語版)」の販売を開始すると発表した。同社のリセラーを通じて提供される。

 LiveCycle Policy Serverは、文書処理を自動化するためのJ2EEベースのサーバープラットフォームである「Adobe LiveCycle」の1製品。Adobe Acrobat 7.0およびAdobe Reader 7.0と連携し、PDFファイルへのアクセスコントロールを動的に実現できるのが大きな特長となっている。


LiveCycle Policy Serverでのポリシー設定の基本的な流れ
 LiveCycle Policy Serverの基本的な仕組みは次のようになっている。まず最初に、LiveCycle Policy Serverでポリシーを作成する。ここで、開封可能なユーザーやグループの登録、配信するPDFの動作内容(有効期間、失効、すかし、利用機能の制限、オフラインでの利用の可否)などを設定する。次に、作成済みのPDFファイルに対し、ポリシーを適用する。ポリシーの適用は、Acrobat 7.0から実行できるため、LiveCycle Policy Serverの管理者でなくとも設定が可能となっている。こうしてポリシーを適用したPDFファイルは、最初に開くときにLiveCycle Policy Serverとネゴシエーションをとり、ユーザーにあわせた権限を適用したPDFファイルとして開くことができる。

 いったんネゴシエーションが済んだファイルは、ポリシー設定によってオフラインで利用することも可能なのも特長。同社マーケティング本部エンタープライズマーケティング部 部長の小島英輝氏は、「外部に持ち出して利用するファイルもあるため、毎回ネゴシエーションをとっていては使い物にならない」と、セキュアな機能を持ちつつも、ユーザーの利便性に応える内容となっている点を強調した。

 また、いったん配布したPDFファイルのアクセス権限をあとで変更できるのもLiveCycle Policy Serverの大きな特長だ。「ファイルを受け取った人が退社した場合など、あとからポリシーを変更することでファイルにアクセスできないようにできる」(小島氏)と、サーバー側で自由に変更できる利点を紹介した。


LiveCycle Policy Serverの設定画面 LiveCycle Policy Serverで使われるポリシーの構造

 ライセンス体系は、何人のユーザーで利用するかで課金する「Per Userライセンス」と、いくつのファイルをコントロールするかで課金する「Per Documentライセンス」の2種類が用意されている。「一般のサーバー製品では、CPU単位での課金がメインだが、製品の性格上、ユーザー単位もしくはドキュメント単位の課金がよいと判断した。Per Documentライセンスは短期間に不特定多数の人に対して同一ファイルを配布するという使い方に向いているため、Per Userライセンスが主流になるだろう」と、小島氏は説明する。

 LiveCycle Policy Serverは、Webアプリケーションサーバーごとに、IBM WebSphere 5.1版、BEA Weblogic 8.1版、JBoss 3.2.5版が用意されている。対応OSは、Windows Server 2003、Red Hat AS 2.1(IBM WebSphere 5.1版、JBoss 3.2.5版)、Solaris 9(IBM WebSphere 5.1版)、AIX 5.1/5.2(IBM WebSphere 5.1版)。対応データベースは、SQL Server 2000、Oracle 9i、DB2(IBM WebSphere 5.1版、BEA Weblogic 8.1版)。対応LDAPは、Active Directory、Sun Java System Directory Server 5.1/5.2。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200503/20050323policy.html
  Adobe LiveCycle Policy Server
  http://www.adobe.co.jp/products/server/policy/main.html

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( 福浦 一広 )
2005/03/23 17:49

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