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Windows本部 パートナーマーケティング部 シニアテクニカルエバンジェリストの大塚友則氏
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LZH形式の圧縮ファイルは、緑色のフォルダとして表示されている
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マイクロソフト株式会社は4月7日、LZH形式で圧縮されたファイルを展開する「圧縮(LZH形式)フォルダ」機能を、4月28日より提供すると発表した。同機能の対応OSは、x64版を除く日本語版Windows XPの全バージョン。Windows XPのライセンスが正規版であるかどうかを確認する「Windows Genuine Advantage Program」(以下、WGA)への参加特典の1つとして提供され、正規版のユーザーは無償で入手できる。
Windows XPにはもともと、ZIP形式によってファイルを圧縮・展開する「圧縮(zip形式)フォルダ」機能が標準で備えられている。しかし「日本ではLZH形式が事実上の標準」(Windows本部 パートナーマーケティング部 シニアテクニカルエバンジェリストの大塚友則氏)であり、実際の流通量も多いため、圧縮ファイル操作に関して、現状の機能だけでは必ずしも十分と言えなかった。もちろんサードパーティ製のソフトを別途利用すればLZH形式のファイルも扱えるようになるが、そうしたソフトを簡単に見つけ出せない初心者や、企業ポリシーでアプリケーションの利用が制限されているユーザーのニーズに応えるためには、OS側でサポートすることが望ましい。
加えてWindows XP SP2では、メールの添付ファイル処理を安全に行えるようにするAttachment Execution Service機能がOutlook Expressに追加されているものの、OS側でネイティブに展開できないLZH形式の圧縮ファイルでは有効に働かなかった。これはIEに追加された、ダウンロードファイル実行時にセキュリティの警告を表示する機能に関しても同じで、セキュリティ面からもLZH形式への対応が望まれていたという。
このためマイクロソフトでは今回、WGAの一環として、圧縮(LZH形式)フォルダ機能を提供することにした。同機能では、圧縮(zip形式)フォルダ機能の操作性を継承し、エクスプローラで通常のファイルを扱う感覚で、LZH形式の圧縮ファイルの中身を閲覧・展開できる。またWindows XP SP2で追加された、上記セキュリティ機能も有効に働くようになる。ただし、圧縮(zip形式)フォルダ機能と異なり、圧縮ファイルの作成や、圧縮ファイル内のファイル編集、削除、名前の変更といった作業は行えない。これに関してマイクロソフト プロダクトディベロップメントリミテッド ウインドウズ開発統括部の丸山謙哉氏は「圧縮もサポートしようとすると、より多くの開発リソースが必要になり、提供時期が遅れる。圧縮に関してのニーズが把握できなかったこともあり、今回は見送った」とコメントした。
なお圧縮(LZH形式)フォルダ機能は今後、Windows Server 2003に対しても提供される予定だ。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2250
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( 石井 一志 )
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