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ノベル、“NetWareにかわる”SUSE LINUXベースのネットワークスイート


マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャ、飯田敏樹氏

iManagerの画面イメージ
 ノベル株式会社は4月14日、ネットワークサービススイート「Novell SUSE Open Enterprise Server」(以下、SUSE OES)を発表した。市場推定価格は、1サーバー(16CPUまで)あたり68万2500円で、5月23日より出荷が開始される。

 SUSE OESは、SUSE LINUX Enterprise Server 9(以下、SLES 9)をベースにしたワークグループサーバー製品。ファイル/プリントサーバー機能、ユーザー管理機能などを備え、同社では「Linuxの適用領域を、情報系ネットワークインフラにまで拡大したもの」(マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャ、飯田敏樹氏)と位置付けている。

 もちろん、SLES 9とSambaを利用してもファイルサーバーとしての利用は可能だが、SUSE OESではファイルサービス「Novell Storage Service」、ディレクトリサービス「Novell eDirectory」が統合されており、強力なアクセスコントロールを行える点が特徴。たとえばアクセス権限でも、管理者権限はもちろん、読み取り、書き込み、作成、削除、修正といった各項目を設定できるほか、アクセス許可されたファイル、フォルダ以外はユーザーに見せないようにすることができるため、より安全に社内ネットワークを運用できるという。アクセスコントロールを設定できる単位に関しても、ユーザー単位だけでなく、役職、グループ、部門、地域などのくくりで設定可能だ。

 また、ほかのプラットフォームとのディレクトリ連携を可能にする、Nsure Identity Manager(300ユーザーライセンス分)を同梱。NetWareやActive Directory/Windows NTドメインと、ユーザーアカウントやパスワードの同期が行えるようにすることで、管理の煩雑性を軽減するという。さらに管理面では、Webブラウザベースの管理コンソール「iManager」を用意し、「Linuxの深い知識がなくても、管理ができる仕組みを整えた」(飯田氏)。同ツールでは、ユーザーの追加やサーバーの監視などをGUIベースで簡単に行えるほか、管理権限の一部をほかのユーザーへ委譲する機能も搭載している。

 さらに可用性も大幅に向上した。SLES 9だけの運用時には、2ノードのActive-Standby構成しかとれなかったが、SUSE OESでは32ノードまでのクラスタに対応。2005年下半期に提供が予定されているオプション機能を利用すると、複数サイト間のクラスタリングもサポートされ、ディザスタリカバリが可能になる。

 ノベルではこうした特徴を持つSUSE OESを用いて、NetWareユーザーのLinuxへの移行を促進するとともに、サポート期限が終了したWindows NT Server 4.0からの受け皿としても展開する考えで、NetWare/NT Server 4.0からスムーズにSUSE OESへユーザー、グループ、データを移行させるためのマイグレーションツールを標準で添付した。これまでのNetWareと異なり、ユーザー数に応じた課金は発生しない(Nsure Identity Managerを除く)ことから、大規模な利用であればあるほどコストメリットが発生する点を強調し、主に中・大規模環境への導入を提案していくと見られる。



URL
  ノベル株式会社
  http://www.novell.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.novell.co.jp/pressrel/20050414_1.html


( 石井 一志 )
2005/04/14 18:18

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