ヴイエムウェア株式会社は4月14日、デスクトップ向けの仮想マシンソフトウェアの最新版「VMware Workstation 5 日本語版」の販売を開始したと発表した。
VMware Workstation 5で新たに搭載された、あるいは拡張された主な機能は次の通り。
[チーム化]
複数の仮想マシンをグループ化(チーム化)して管理する機能。チーム全体でひとつのマシンのように扱うことが可能で、チーム単位で電源のON/OFFを切り替えたり、チーム内のすべての仮想マシンの設定をまとめて変更するといったことも可能になる。ネットワークセグメントの構成も可能で、複雑なマルチティアアプリケーションをデスクトップ上でテストできる。また、これまでサーバー向けの仮想マシン「VMware GSX Server」でのみ提供していたメモリ共有機能を搭載することで、マルチティアのアプリケーション開発も容易になっている。
[マルチプルスナップショット]
これまで仮想マシンのスナップショットは1つしか残せなかったが、あらたに複数のスナップショットが保存できるように拡張された。時系列にしたがって、スナップショットをツリーのように管理できる。
[クローン機能]
任意の仮想マシンをテンプレートにして、複数の同じ構造をもった仮想マシンを作成する機能。テンプレートに設定された仮想マシンに対する変更は、リンクされた仮想マシンに保存される。
[パフォーマンス向上]
ネットワーク、メモリ、サスペンドおよびレジューム、共有フォルダ、サウンドなどについてパフォーマンスが大幅に向上した。
[ムービーキャプチャ]
仮想マシンに対するキーボードやマウスの操作をAVIファイルとして記録できるようになった。繰り返し同じ操作をするデモンストレーションなどで威力を発揮する。
[64ビットのホストOSとプロセッサをサポート]
ホストOS(仮想マシンを動かすベースのOS)として、あらたにWindows XP x64 Edition(ベータ版)やWindows Server 2003 SP1(ベータ版)、Red Hat Enterprise Linux 3/4、SUSE LINUX Enterprise Server 8/9などの64ビットOSに対応している。また、AMD Opteron、AMD Athlon 64、Intel EM64Tといった64ビット拡張機能をもったプロッサにも対応している。また、あらたにゲストOSとしてサポートする32ビットOSもいくつか追加されている。
その他の新機能としては、CPUのユーザーモードデバッグ/カーネルモードデバッグ、NXビット、XDビットのサポート、USBデバイスのサポート、Windowsのパフォーマンスモニタとの連動、Direct 3Dのサポート(試験的なサポートであるという)などがあるという。
VMware Workstationで作成した仮想マシンの実態はファイルであり、これらのファイルはVMware GSX Server、VMware ESX Serverからも利用できる。
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米VMware アジアパシフィック担当 副社長 兼 ジェネラルマネージャー マイク・クレイビル氏
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米VMware アジアパシフィック担当 副社長 兼 ジェネラルマネージャーであるマイク・クレイビル氏は、「仮想化技術によって、ソフトウェア開発は数億ドルのコスト削減を見込める」とした上で、「そしてその市場においてVMwareは常にイノベーションをもたらし、リーダーの企業でありつづける」と語る。
また、最近他のベンダーや、オープンソースコミュニティから多くの仮想化マシンソフトウェアがリリースされていることについてクレイビル氏は、「私たちは他の競合他社よりも、2年~3年は先に行っている。他社が追いつこうとしている間も、我々はもっと先にすすむことができる」と述べた。
VMware Workstation 5.0は、Windows版とLinux版がオープンプライスで販売される。店頭の予想価格は3万円前後とのこと。また、バージョン4からのユーザーには、1万8000円前後のアップグレード版が提供される予定となっている。現在、30日間有効な評価版がダウンロード提供されている。
■ URL
ヴイエムウェア株式会社
http://www.vmware.com/jp/
ダウンロード先
http://www.convention-info.net/vmware/vmwareace/
( 北原 静香 )
2005/04/14 20:18
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