Enterprise Watch
最新ニュース

ボーランド、ロールベースの開発プラットフォーム「Borland Core SDP」


Core SDPの構成イメージ

「アナリスト」の場合の画面イメージ。この場合はIDEとしてJbuilderを利用している
 ボーランド株式会社は4月19日、プロセス、および開発チームに属するメンバーの役割を重視したアプリケーション開発プラットフォーム「Borland Core SDP」を発表し、日本市場への出荷は5月18日を予定していることを明らかにした。Core SDPの「SDP」とはSoftware Delivery Platformの略で、アプリケーション開発ライフサイクル全般を通じて、開発と管理のプロセスを最適化するインフラを提供する。

 これまでにもボーランドではALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)製品群として、要件管理の「CaliberRM」、ビジュアルモデリングツールの「Together」、開発ツールの「Jbuilder」、そしてこれらの情報を一元的に管理するプラットフォームである構成・変更管理ツール「StarTeam」を展開してきた。Core SDPは、これらのALM製品を局部的統合で終わらせるのではなく、共通のリポジトリを持つ一元化された開発プラットフォームとして進化させた製品である。そのため、Core SDPは、「アナリスト」「アーキテクト」「デベロッパー」「テスター」の各ロールにあわせたツールにより構成されている。

 既存のツールによる区切りではなく、開発チームメンバーの役割ごとに最適化された作業環境によって、開発フェーズ間の垣根を解消する。統合開発環境(IDE)としてはJbuilderとEclipseを利用することが可能だ。また、Core SDP Platform Serviceのダッシュボード機能によってプロジェクトの進ちょくや問題点などを管理者がリアルタイムに把握することもできる。


米Borland SoftwareのCTO、パトリック・カーパン氏

Core SDPと、SDO戦略の中で今後提供される製品
 Core SDPは、昨年11月に発表された米Borland Software(以下、Borland)の新戦略であるSDO(Software Delivery Optimization)戦略を具現化した製品の第1弾である。BorlandのCTOであるパトリック・カーパン氏は、「Core SDPはソフトウェアのアセットではなく、ロール(役割)を意識して作られています。Core SDPを導入することで、“人”、“プロセス”、“テクノロジ”のベクトルをあわせることができます」と語り、Core SDPがSDOのビジョンに沿った最初の製品であることを強調している。また、Core SDPは、BorlandのSDOビジョンを具現化する最初の製品であるが、Borlandでは今後もプロジェクトの可視性と予見性を管理する「Hyperion」、ソフトウェア供給のERPを管理する「Prometheus」といった製品をリリースする予定であるという。

 さらに、Borlandは1月に米国の大手プロセスコンサルティング企業であるTeraQuest Metrics, Inc.を買収し、ワールドワイドサービス部門の一部としている。これによってBorlandは、TeraQuestがこれまでつちかってきたCMMI、ソフトウェアプロセス改善、品質保証、リスク管理といった分野のノウハウを生かし、包括的なソフトウェア開発プロセス改善のコンサルティングサービスも提供していく。

 日本国内においてCore SDPはダイレクト販売のみで提供される予定である。その際のCore SDPのライセンスは、各ロールごとの指名ユーザーとコンカレント(同時接続)ユーザーライセンスを選択できる。また、ソフトウェアプロセス改善に関するコンサルティングがセットになったオプションも用意されているとのこと。




URL
  ボーランド株式会社
  http://www.borland.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.borland.co.jp/news/20050419_coresdp.html


( 北原 静香 )
2005/04/19 18:47

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.