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米Oracleのアジア・パシフィック統括上級副社長、デレク・H・ウイリアムズ氏
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各製品系列の今後のロードマップ
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日本ピープルソフト株式会社と米Oracleは4月19日、ビジネスアプリケーション製品の今後のロードマップを国内のプレスに説明した。それによると、既存製品のサポートは少なくとも2013年まで提供されるほか、将来的には、新たに開発される「Fusion」アプリケーションスイートへ刷新・統合されるとのことで、基本的には、1月に米国で発表されている内容とほぼ同等のものになっている。
米PeopleSoftがOracleの傘下に入ったことによって、IAプラットフォームを利用するOracleのビジネスアプリケーション製品には、3系列の製品がラインアップされることになった。もともとの自社製品であるOracle E-Business Suiteと、旧JD Edwards系列のJD Edwards EnterpriseOne(旧PeopleSoft EnterpriseOne)、旧PeopleSoft系列のPeopleSoft Enterprise、の3つがそれだ。これらは現時点では統合されておらず、3系統をそのまま温存することは負担となる可能性があるが、Oracleでは「各社の顧客に対して全力を尽くす」(Oracleのアジア・パシフィック統括上級副社長、デレク・H・ウイリアムズ氏)との立場を堅持し、顧客のために、各製品ラインに対するサポートを最低でも2013年までは提供していくという。
具体的には、現行のOracle E-Business Suite 11i.10、PeopleSoft Enterprise 8.8/8.9、今回同時に発表されたJD Edwards EnterpriseOne 8.11といった各アプリケーションの機能強化を継続して、2006年にそれぞれ新版を提供する。日本ピープルソフト自体はOracleの傘下に入ったものの、同社から提供されいる製品系列に関しては、「対応しているIBM、マイクロソフト、BEAなどのミドルウェアを継続してサポートしていく」(日本ピープルソフトの執行役員で、プロダクト・テクノロジー統括本部長を務める荻矢隆雄氏)方針で、サポートも含め、Oracleと一緒になることによる負の影響を、ユーザーに与えることはないとした。
これらは最終的に、Oracleが開発中の次世代製品「Project Fusion」に、順次、刷新・統合される方向で進められる。Project Fusionで提供される新製品は、各製品ラインの長所を受け継いで進化させ、2006年のデータハブ、トランザクションベースの両製品を皮切りに、2007年に個々のFusionアプリケーションが、2008年にはアプリケーションスイート製品が、それぞれリリースされてくる予定だ。
一方Project Fusionでは、現行の各製品系列からシームレスにアップグレード/マイグレーションを行える、という点に関しても注力されているとのことで、各製品のユーザーは、サポート提供が終了する2013年までの間に、それぞれのスケジュールで新製品へマイグレーションを進めていくことになる。なおOracleでは、ユーザーのマイグレーションを支援する施策の一環として、既存のJD Edwards EnterpriseOne XE/8.0、PeopleSoft Enterprise HCM 8SP1/8.3/8.3SP1、同 FMS 8SP1、同 SCM 8SP1のサポート期限を1~2年延長することを発表している。
加えてウイリアムズ氏は、OracleとPeopleSoftの統合に関しても言及。米国、英国では完全に法人の統合が完了したほか、アジア太平洋地域でも26のオフィスのうち6つが統合されたと説明した。しかし日本においては、日本オラクルが株式を公開している関係上、公正取引委員会の承認を得なければ次のプロセスに進めないとのことで、現時点での具体的な発表は見送られている。
■ URL
日本ピープルソフト株式会社
http://www.peoplesoft.co.jp/
米Oracle
http://www.oracle.com/
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( 石井 一志 )
2005/04/19 19:42
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