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東芝ソリューション、テラバイト級のXMLデータを高速検索できる「TX1」


取締役 統括技師長の屋敷田広実氏

TX1の特長
 東芝ソリューション株式会社は4月20日、XMLデータベース「TX1」を発表した。また、TX1を中核とした業種向けパッケージ型ソリューションの受注活動も同日より開始する。

 TX1は、XMLデータの階層構造を保ったままの形式で格納・管理できるXMLデータベース。テラバイト級の大容量データの高速検索ができるのが大きな特長となっている。同社取締役 統括技師長の屋敷田広実氏は、「これまでのXMLデータベースは、リレーショナルデータベースと比べると検索速度などの性能が劣っていた。特に大容量のデータになるほど遅くなる」と指摘。「TX1では、構造自動抽出技術と問合せ最適化技術の2つの独自開発技術により、これまでのXMLデータベースの欠点であった大容量データの検索速度を解決することができた」と、XMLデータベースでありながら高速検索が可能である点を強調した。

 TX1に搭載されている構造自動抽出技術「スキーマアナライザ」は、XMLデータの階層構造の照合を高速化するための技術。従来のXMLデータベースでは、階層構造を順にたどって検索していたため、大容量データを検索するときに性能が落ちてしまっていた。スキーマアナライザは、XMLデータから構造を自動的に抽出し、階層パターン照合を高速に実行するための独自の索引を作成。これにより、データ集合に対する参照を最小限に抑えることができ、検索速度を高速化している。

 もう一つの問合せ最適化技術「クエリオプティマイザ」は、抽出した構造と語彙(ごい)の統計情報をヒントに、最適な問い合わせプランを生成する技術。たとえば、「任意の階層内に“XML”を含み、“ベストセラー賞”を受賞した本は?」といった検索を行う場合、「“XML”は多い、受賞タグは少ない」という統計情報をヒントに、“受賞”タグがついているデータを先に参照するプランを生成。これにより、検索範囲を絞り込むことができ、検索速度を高速にできるとしている。


構造自動抽出技術「スキーマアナライザ」の概要 問合せ最適化技術「クエリオプティマイザ」の概要

 あわせて発表されたパッケージ型ソリューションは、「保険文書XMLソリューション」「電力情報共有ソリューション(仮称)」「次世代新聞素材管理ソリューション」「コンテンツマネジメントソリューション」の4つ。対象となる業務が専門的となっている理由について、「在庫管理といったデータは、リレーショナルデータベースで管理されることが多く、XMLデータベースでわざわざ扱わないのではないか。TX1は、非定形データであるXMLを大量に扱う業務向けに作っているため、どうしても専門的な業務向けのソリューションとなっている」と説明した。

 Windows版とSolaris版の2つを用意。Windows版の対応OSは、Windows 2000 Server SP4/Server 2003。価格は、1CPUライセンスが450万円(税別)から。販売開始は4月20日。Solaris版の対応OSは、Solaris 9/10。価格は1CPUライセンスが675万円(税別)から。販売開始は7月。なお、LinuxおよびHP-UXにも順次対応する予定。



URL
  東芝ソリューション株式会社
  http://www.toshiba-sol.co.jp/ccc/
  ニュースリリース
  http://www3.toshiba.co.jp/ccc/news/detail/050420.htm


( 福浦 一広 )
2005/04/20 21:11

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