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Telelogic CEO アンダース・リドベック氏
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スウェーデン マルモに本社のあるTelelogicは、ソフトウェア開発ツールのベンダーだ。要件管理ツール「DOORS」、構成・変更管理ツール「SYNERGY」、ビジュアルモデリングツール「TAU」という製品群によって、アプリケーション開発ライフサイクル全体を管理するALM(Automated Lifecycle Management)を実現するとしている。そして5月には、日本法人である日本テレロジック株式会社よりDOORSを補完する新製品として「Telelogic DOORS XT(以下、DOORS XT) 日本語版」のリリースを予定している。
これ先立って来日したTelelogic CEOのアンダース・リドベック氏に、テレロジックのALM戦略と、アジアでの展開について聞いた。
現在、多くの開発ツールベンダーが、アプリケーション開発ライフサイクルを管理する製品をリリースしているが、リドベック氏によると、同社はそのような多くのベンダーとは一線を隔てているという。「Telelogicの主な顧客は、自動車産業、航空産業、テレコムといった、大規模で複雑なシステムを必要とする企業であり、今後も最先端技術を擁する企業に選ばれるベンダーであり続けたい」と、同氏はALM戦略の顧客について語った。
また、今後の製品戦略については「現在“05Q2リリース”と社内で呼んでいるプロジェクトが進行中だ。これは2005年の第2四半期にリリースされる予定で、DOORS、SYNERGY、TAUの連携をより密にした製品となる」という。この05Q2リリースは、1枚のメディアから複数の製品がインストールできるようになるほか、ライセンス体系も統一する予定だという。また、同氏はほかのベンダーのツールとの連携について「もちろんテレロジックの製品とIBM Rationalやコンピュータ・アソシエイツ(CA)など他社の製品との連携や統合は可能。だが、どうしても自社製品だけの環境と比較すると統合の度合いが低くくなってしまう」と述べた。
さらに、アジア市場については「現在、世界中の多くの企業がインドや中国といったアジアに対してソフトウェア開発を依頼している。そのため、ここ数年のアジアにおける成長率は非常に高くなっている」と語る。さらに「アジアでシェアを拡大するには2バイトコードに対応する必要があったが、本来の製品は対応していなかった。しかし、今後はUNICODE対応で最初から製品が2バイトコードに対応するようにしていく」と述べた。実は今回新製品として発表されたDOORS XTは、UNICODE対応製品で、ユーザーインターフェイスは英語版、中国語版、韓国語版、日本語版で異なるものの、コアとなるプログラムは同じものを使用している。
最後に、企業のアプリケーション開発の現状と問題点について聞いたところ「ビジネスとテクノロジーに乖離(かいり)があること、プロジェクトの多くは失敗することを多くの人は理解している。プロジェクトの50%は要件管理が正しくできているかに左右される。そのためにも、ビジネスの要求からアプリケーションを開発する要求駆動型(RDD)の開発が重要になる」と述べた。
■ URL
日本テレロジック株式会社
http://www.telelogic.com/jp/
Telelogic DOORS
http://www.telelogic.com/jp/products/doors/
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( 北原 静香 )
2005/04/21 12:48
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