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マーケティング/カスタマーサービス マネジャー、財前潮氏
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SANmelodyの運用イメージ
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データコア・ソフトウェア株式会社は5月11日、ストレージサーバー構築ソフトの新版「SANmelody 2.0」を出荷開始すると発表した。価格はオープンだが、最小構成時で約20万円程度を想定している。
SANmelodyは、IAサーバーを用いてストレージサーバーを構築するためのソフト。高価な専用ハードウェアを利用しなくとも、安価で高性能なものが手にはいるようになったIAサーバーとWindowsプラットフォームをベースとすることで、ストレージの導入に必要なコストを削減可能という。
またアプリケーションサーバーと、同製品をベースに構築されたストレージ(以下、SANmelodyストレージ)の間は、iSCSIプロトコルを使用してLANで接続する形態を採用。高価なFC(ファイバチャネル) SANを導入せずに、ストレージ環境の統合を実現できる(オプションでFCにも対応可能)。「個々のサーバーごとにHDDを用意するようなサーバー環境の場合、物理ディスク空間は25%しか有効に利用されていない。しかし、当社の製品を用いれば、この利用率を上昇させることが可能だ」(マーケティング/カスタマーサービス マネジャー、財前潮氏)。
今回の新版では、さらなる利用率の向上を達成するため、「バーチャル・キャパシティ」機能によって、ボリュームごとの容量割り当てを簡素化できるようにした。これは、仮想的なディスク空間をサーバーに認識させる機能。実際にSANmelodyストレージが搭載しているHDDの物理容量にかかわらず、各サーバー(アプリケーション)に対して、最大2TBの仮想ディスクが接続されていると認識させることができるため、導入後は、アプリケーションごとのボリュームサイズを日々管理するのではなく、実際の利用量の総計が物理容量を超えないように注意していけばよい。
またストレージの仮想化だけでなく、サーバーの仮想化によって、CPU利用率の向上、管理の統合といったメリットを得ようとする企業が増えていることから、VMwareや、マイクロソフトのVirtual Serverとの親和性を向上させた。加えて、Windows環境のサポートを進め、Windows Disk ServiceやVolume Shadow Copy Services、Multipath I/OといったWindows 2003 Storage ServiceをSANmelodyと連携させられるようになったほか、Windows Storage Serverプラットフォーム上での動作に対応。同OS上でSANmelodyを動作させることで、SAN/NASのハイブリッドシステムの構築を行えるようにした。
さらに、iSCSIを利用したフェイルオーバー機能も新たに備えた。これを利用すると、1台のSANmelodyストレージがダウンしても、迅速にもう1台が代替として動作するため、ユーザーはそのまま作業を継続することができる。こうした機能は従来FC SANでは提供されてきたが、SANmelody 2.0では、FC-SANの環境を持たないユーザーも、Ethernetという標準のインフラを用いて、可用性を高めることができるようになった。また今回は、iSCSIのセキュリティを高められるよう、新たにIPsecをサポートしている。
なお、これまでのSANmelodyはOEM経由でハードウェアとともに販売されてきたが、今回より、データコア・ソフトウェア自身やチャネル経由での単品販売も開始する。同社ではこうした販売方法の多様化による分も含めて、今後2年間で10億円以上の売り上げを見込んでいる。
■ URL
データコア・ソフトウェア株式会社
http://japan.datacore.com/
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( 石井 一志 )
2005/05/11 20:27
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