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Livelinkの画面イメージ。この画面は、ユーザーやイベントごとの監査証跡を確認しているところ
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イキソスソフトウェア株式会社(以下、イキソス)は5月25日、加Open TextのEMS(企業コンテンツ管理)製品「Livelink」の販売を開始すると発表した。Open Textは、イキソスの親会社にあたる独IXOS Softwareを買収し、業務統合を進めている企業。
Livelinkは現在、キヤノン販売とインフォコムによって販売されており、国内300社ほどに導入されているとのことだが、イキソスでは、IXOS製品の直販や導入コンサルティングなどで培った企業とのパイプを活用して、Livelinkの販売を広げたい考え。またイキソスは、IXOS SoftwareとOpen Text両社の統合作業がほぼ完了しつつあることから、6月1日付けで、社名を「オープンテキスト株式会社」に変更する。
EMSとは耳慣れない言葉だが、企業内に存在するさまざまなデータを集積し、ERPなどの基幹システムと統合して、企業の管理下に置くための製品を指す。対象となるのは、前述のように企業が保有するデータであるが、この内訳を見た場合、基幹システムなどのデータベースを意味する「構造化データ」は約10%程度で、残りの90%は、電子文書やメール、紙文書などの「非構造化データ」になる。
しかし、現在多くの企業では、加速度的に増え続けている非構造化データの管理がユーザー任せ、部門任せになっているため、管理ができない状況になってしまっている。そこでイキソスでは、「情報漏えいや企業のコンプライアンスなどが重要視されるようになっており、企業全体での管理が求められる時期に来ているのではないか」(サービス本部長の長岡純氏)と主張して、製品を展開しているという。
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イキソスの取締役副社長、勢山登喜子氏
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イキソスの従来製品とLIVElinkの位置付け
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LivelinkもこのEMS分野に分類される製品で、全社規模で、文書コンテンツとワークフローなどのプロセスを一元的に管理できる。コンテンツに対しては9レベルの権限を設定可能なほか、各ユーザーが行ったコピー、閲覧、変更などのアクションはすべて自動的に記録され、ワークフローの流れの中からそれを確認することも可能だ。また、サーバー内に集積したコンテンツは、すべてWebベースで扱えるため、運用に際しても負担がかからないほか、コンテンツを、関連する基幹システムのトランザクションやマスターデータとひも付けて管理する機能も備えている。
イキソスの取締役副社長、勢山登喜子氏は、こうした特徴を持つLivelinkと同社の従来製品を比べて、「イキソスの従来製品は確定後のアーカイブ部分に強いが、Livelinkは、未確定の(作業中の)文書管理に関する機能が充実している。またコンポーネントとしては、ワークフローと検索エンジンの機能が優れている」と説明。同じ分野でも、異なる特徴を持つ製品ラインを統合することで、シナジー効果が発揮できるとした。
イキソスでは今後、4月より施行されたe-文書法や個人情報保護法などによって生まれた市場に対して、もともとの自社製品やLivelinkを販売する考えだが、さらに最終的には「日本のコンプライアンスをトータルに提供する」(勢山副社長)ことを目標にするという。同社では、これから米国ですでにあるような「企業の内部統制(社内のチェックで、不正を含む間違いを未然に発見できる仕組み)」に関する市場が国内でも生まれると見ており、「今の日本の企業は、いかに効率的に文書を管理できるかを文書管理製品に求めている。当面はそうしたところにLivelinkを販売するが、最終的には、コンプライアンスを意識した形のプラットフォームへもっていけるように提案したい」とした。
■ URL
イキソスソフトウェア株式会社(5月31日まで)
http://www.ixos.co.jp/
ニュースリリース(Livelink販売開始)
http://www.ixos.co.jp/news/news_050525b.html
ニュースリリース(社名変更)
http://www.ixos.co.jp/news/news_050525a.html
オープンテキスト株式会社(6月1日より)
http://www.opentext.co.jp/
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( 石井 一志 )
2005/05/25 19:35
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