シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は5月26日、これまで同社が「MetaFrame」として提供してきたサーバーベースコンピューティング製品群の最新版「Citrix Access Suite 4.0(以下、Access Suite 4.0)」計3製品を発表した。6月21日より発売する。
Access Suite 4.0は、アプリケーションやデータなどの情報リソースをサーバーに集約し、社内・社外からデバイスを問わずにセキュアなアクセスを可能とするソフトウェアソリューション。これまでMetaFrameとして「1万社・55万ライセンス」(代表取締役社長 大古俊輔氏)販売し、また各社から発表が相次いでいるシンクライアントソリューションに採用され、ITにおけるセキュリティ強化やコスト削減などのニーズの高まりとともに拡大してきたが、今後はMetaFrameの名を使わず「Citrix」ブランドとして展開する方針だ。
同社マーケティング本部 本部長の樋渡純一氏によると、部門やアプリケーション単位の部分採用から、包括的なアクセスソリューションへの需要の高まりによる大規模システムへの採用が増大していることから、同社の「ビジネスの基軸を単体製品からSuite製品へシフトする」ことにともない、「あえてサーバーベースコンピューティングの代名詞とされていたMetaFrameの名を取り除いた」という。
今回新たに発表されたAccess Suite 4.0は、ソリューションの基盤となる「Citrix Presentation Server 4.0(以下、Presentation Server 4.0)」、シングルサインオン環境を構築する「Citrix Password Manager 4.0」、社外からインターネットを通じて情報リソースにアクセスする際にセキュリティ機能を提供するSSL-VPNアプライアンス「Citrix Access Gateway 4.0」で構成されている。
これらは、従来製品と基本的な機能を継承しつつ、より容易なアクセスインフラの構築に向け製品統合がされている。また、「利用環境に依存しない継続的なアクセス(Smooth Roaming)」「あらゆるアクセスシナリオに適応する検出とレスポンス(Smart Access)」を軸とした、アクセス機能の強化が図られている。具体的には、Presentation Server 4.0において、1サーバーあたりのユーザー数が最大25%向上したほか、ターミナル環境非対応やVoIPを利用するといった従来利用できなかったアプリケーションへの対応などが挙げられる。
3製品を統合したAccess Suite 4.0は、たとえばデスクトップPCで社内から、モバイルPCで公衆無線LANスポットから、個人のPCで自宅からといった異なるアクセス環境や端末からWebブラウザを通じて、企業内のサーバー上にある情報リソースにアクセスすることが可能となる。この際、ログイン時に接続する環境を自動判別し、ポリシー設定に応じて利用可能なアプリケーションやデータに制限を加えることができる。例えば、同一ユーザーでも社内PCからはERPソフトを利用できるが、社外からはできないといったことが可能だ。
情報リソースへの接続におけるアクセス管理イメージ
シングルサインオンは社内・社外のサービスを問わず有効
情報リソースに接続する前に端末のセキュリティ状況やネットワーク環境がチェックされる
社内のPCでは左下にあるSAPアプリケーションを利用できる
社外からのアクセスは接続制限され、SAPアプリケーションを利用できない
新製品はブランド変更とともに、ユーザーライセンスをメールや専用サイトから購入申し込みができる「Eライセンスプログラム」が新たに採用される。この販売経路はパートナーを通じた間接販売で従来と変わらないが、納期が3営業日以内に短縮され、さらに導入規模に応じて最大40%の値引きが適用される。なお、各製品の個別販売はEライセンスプログラムと従来のパッケージ販売が併用されるが、Access Suite 4.0はEライセンスプログラムのみでの販売となる。