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日本IBM、デジタル家電業界向けソリューションサービスを開始


日本IBM・内永ゆか子取締役専務執行役員
 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は5月31日、デジタル家電業界向けの組み込み製品および支援サービスの提供を開始すると発表した。大和事業所のなかに、100人規模でのデジタル家電専任のソリューション部門を新設し、これをグローバル展開していく。同社では、今回の取り組みを「研究開発トランスフォーメーション・サービス」のひとつと位置づけ、デジタル家電メーカーの研究開発、製造に対する各種ソリューション提供を行う。

 「IBMでは、93年からIPD(インテグレーション・プロダクト・デベロップメント)を採用。これによって、開発プロセスのコントロールとマネージを実現し、期間の短縮、売上高経費の削減などを達成している。他の企業へも展開した実績があり、開発期間で25%の削減、タイムトゥマーケットの指標で25%の改善、さらに、どの程度の期間で投資を回収できるかというタイムトゥプロフィットでは45%の改善が可能になった。こうしたクオリティ、コスト、デリバリーに関するマネージが可能になる」と、日本IBM・内永ゆか子取締役専務執行役員は語る。


IT製品開発の多様化とIBM研究開発のトランスフォーメーション・サービス IBMにおけるIPDの効果

 こうしたIPDの提供のほか、同社が開発した各種技術や、蓄積したノウハウを、デジタル家電メーカーに提供していくのが、今回発表したサービスの内容になる。


デジタル家電向けソリューションの内容
 具体的なソリューションとして、IBMのグローバル規模での製品企画、開発プロセス、マネジメントシステムの経験を生かして、IPDの提供、プロジェクト・マネジメントやソフトウェア開発プロセス、品質保証やアーキテクチャーの考え方を提供する「研究開発コンサルティング・サービス」、アーキテクチャー設計の上に実施されてきた大規模開発の実績やそれに伴うプロジェクトマネジメントシステムの提供、開発支援、開発受託などを行う「エンジニアリング・サービス」、IT製品およびソリューションの開発手法、ノウハウの提供、あるいはThinkPadなどで採用している省電力化、電磁波対策、熱対策技術の提供などを行う「開発手法・ノウハウ、ツールの提供」、開発効率の向上を目指した共通プラットフォームの構築、ソフトウェアおよびハードウェアの要素技術の提供を含む「プラットフォーム構築と組み込み技術提供」を用意する。

 「これらのソリューション提供を通じて、お客様の研究開発のトランスフォーメーションをお手伝いしたい」(内永取締役専務)としている。

 契約形態は、コンサルティング契約やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)契約が中心となる。

 具体的な契約目標や、導入見込み企業などは明らかにしていない。


 今回のデジタル家電業界向けのソリューション提供は、大和事業所における3つの柱の取り組みのひとつだと位置づける。

 内永取締役専務は、大和事業所の研究開発を3つに分割して説明する。

 ひとつは、従来から取り組んできたIBMブランド製品向けの技術研究、技術開発である。内永取締役専務は、これを「標準製品」向けのソリューションと位置づける。IBM製品に搭載する各種技術に関する基礎研究をはじめ、ソフト開発、システム開発、先端技術開発などが含まれ、これまではこの分野への取り組みが大和事業所の主要な取り組みといえた。だが、内永取締役専務は、「今後は、これ以外の新しいサービスの分野が、全体の半数を占めることになる」と語る。

 それ以外の分野としているのが、「組み込みソリューション」および「特化型ソリューション」の分野だ。

 特化型ソリューションとしては、同社が「ディープ・コンピューティング」と呼ぶハイパフォーマンスコンピューティング分野、そして、CELLやPOWER PCなどによって実現されるタブレットPCやKIOSK端末などへの技術提供がある。IBMが持つ要素技術やCPUなどを利用して、カスタムビルド、カスタマイゼーション、チューニングという形で、サービス業をはじめとするカスタマーや、OEM先に対して提供していくというものだ。

 一方、組み込みソリューションは、今回発表したデジタル家電業界向けなどのソリューション提供が含まれる。

 開発製造業のカスタマーに対して提供していくもので、今後、デジタル家電以外にも、自動車、各種組み込み機器、業界特化型の各種分野などにも広げていく予定だ。


提供体制
 今回のデジタル家電向けの100人の専任部隊は、ハード技術者、ソフト技術者の混成部隊で構成。将来的には、大和事業所の約2500人の技術者のうち、半数がデジタル家電をはじめとする組み込みソリューション、およびディープ・コンピューティングをはじめとする特化型ソリューションにあたるほか、デジタル家電向けの専任部門を大和事業所以外にも、世界各国へ展開していきたい、としている。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-6.ibm.com/jp/press/20050531001.html


( 大河原 克行 )
2005/05/31 17:29

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