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エンタープライズ版の強化が進むdesknet's、「Notesとの共存が望ましい」


 ここ最近、大手システムベンダーが中堅・中小企業向けソリューションの展開に力を入れる動きが活発化しているが、一方で従来、中堅・中小企業向けに主力製品を投入していたベンダーが、そのノウハウやコストパフォーマンスを武器に大規模企業向け製品・サービスを展開する動きがある。

 グループウェアにおいても、従来大規模向けはLotus NotesやMicrosoft Exchangeなど、中小企業や部門向けにはWeb型という区分けされていたが、ここ数年Web型グループウェアの大規模向け製品が多く発表され、アップデートを重ねながら着実にユーザーを獲得している。

 そこで今回は、Web型グループウェアの選択肢の1つとして浸透しつつあり、先日エンタープライズ版の新バージョンを発表した「desknet's」を開発・販売する株式会社ネオジャパン プロダクト営業部 取締役 営業統括本部長の大神田守氏にエンタープライズ市場に向けた戦略を聞いた。


基本機能とスケーラビリティに特化しコスト削減を実現

ネオジャパン プロダクト営業部 取締役 営業統括本部長 大神田守氏
 desknet'sは、1999年に初版(iOffice)の発売後、2000年に提供がはじまったASP版と合わせて、全国で35,300社(2004年11月現在)への導入実績があるグループウェア。そのほとんどが、中小企業や部門利用向け「スタンダード版」だ。一方、大規模向け「エンタープライズ版」は2000年に提供開始後、400社に導入された。ユーザー社数ではスタンダード版の方が圧倒的に多いが、ここ最近、実際に利用するエンドユーザーでカウントされるライセンス発行数などを含めると、エンタープライズ版の伸びが顕著だという。

 エンタープライズ版は、当時の中小企業向けiOfficeの機能のほとんどを継承し、RDB(Relational DataBase)のOracleに対応することでスケーラビリティを確保して、大規模向け製品として発売された。現在、発売されている新版も基本的にこれと変わりなく、DBはOracle・DB2・SQL Server 2000・PostgreSQLに対応。また、スタンダード版より大規模組織での利用に向けたアクセス管理機能が強化されている。

 「エンタープライズ版の発表当時は、まだグループウェア=Notesという時代だった。しかし利用者やアクセス数の増加により、必要とされるサーバーやライセンスの追加が求められ、コスト増が問題視されていた」と大神田氏。グループウェアは、それ自身が利益につながるツールではないため、業務アプリケーションと比較してコスト削減を求められることが多いという。

 さらに大神田氏によると「当時、Notesで最も利用されていた機能は内線電話帳だった」という。つまり比較的単純な機能のためにサーバーやライセンスの増強を余儀なくされたことが、コスト増につながっていたということだ。そこで、それら基本機能と、RDBによって大規模組織での利用に対応するスケーラビリティを確保し、Notesより低価格に設定したエンタープライズ版desknet'sを発表したところ、すぐにいくつもの案件をものにしたという。数千人規模であれば1人あたり1000円台になるなど、ユーザーライセンスが安価なため、DBを含めても十分にコスト削減が可能だと大神田氏は強調する。

 ただし大神田氏は「Notesを捨てるのではなく、共存させるのが望ましい」と話す。それは、Notesを導入する企業のほとんどが、それぞれのワークフローに合わせたアプリケーションを開発・運用しており、それら「Notesならではの機能」を捨て、新たにアプリケーションを開発したり、移行する必要はないからだという。


中小企業にもエンタープライズ版が選ばれる理由

最新版のVersion 4.2では、ほかのWebサイトやWebシステムの情報をページ内に表示する機能が搭載されている
 RDBに対応するエンタープライズ版は、スケーラビリティが高いだけでなく、ほかの業務システムと連携が可能であるという特徴も合わせ持つ。同社では導入ユーザーに対してDBのスキーマを開示しているため、多くのユーザーが自身で人事や給与システムと連携させているとのこと。このため、比較的中・小規模の企業でもエンタープライズ版を求めるユーザーもおり、「エンタープライズ版」にもかかわらず、ユーザーライセンスを50人分から販売することになったという。

 また、個々の機能は、基本的にまずスタンダード版に搭載された機能から必要とされるものを実装する形となっている。たとえばスタンダード版は、無料IP電話ソフト「Skype」と連携できるが、エンタープライズ版はこれができない。これはエンタープライズ版を管理する「情報システム部門がSkypeの利用を推奨するわけがない」からだという。

 その代わり大規模組織での利用に向けた強力なアクセス管理機能など、エンタープライズ版のみに搭載されるものもある。「いずれはSkypeのような音声や映像を利用したコミュニケーションツールがエンタープライズでも利用されるかもしれない」(大神田氏)というが、当面は「アクセス管理や個人情報保護法への対応などセキュリティの強化が中心となる」とのことだ。



URL
  株式会社ネオジャパン
  http://www.neo.co.jp/
  製品情報
  http://www.desknets.com/

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( 朝夷 剛士 )
2005/06/03 17:33

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