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日本アタッチメイト、通信ミドルウェアでレガシーマイグレーションを推進


 日本アタッチメイト株式会社は、IBMのメインフレーム上にある各種データベース(DB)とオープンプラットフォームのDBにアクセスできる通信ミドルウェア「Attachmate ACA」を6月13日より発売した。同社はこれによりレガシーからオープン系システムへの段階的移行をローリスクで支援するという。


日本アタッチメイト カントリーマネージャー 高須賀敦氏

レガシーシステムの負荷軽減例
 Attachmate ACAは、IBMのメインフレームで利用される各種データドライバやアプリケーションアダプタ、およびオープンプラットフォームに対応する通信ミドルウェア。同社は従来よりUnisysのメインフレームに対応する「DATABridge」を提供しているが、Attachmate ACAはそのIBM対応版にあたる。

 同社はこれを利用し、レガシーシステムからオープンシステムへの移行作業を細分化することでリスクを低減するソリューションを提供する。同社では(1)レガシーシステムのうち移行リスクが高いものや、安定稼働しているものなどを残し、移行メリットの高いものからオープンシステムに移行することでレガシーの負荷を軽減していく、(2)レガシーとは別にオープン環境にクローンDBを作り、基幹サーバーから両方にアクセスする「ハイブリッド環境」を構築する、という2つのアプローチを提供する。

 前者は、レガシー環境上のDBのほかに、SQL ServerやOracleなどオープン環境を構築し、双方のDBを物理的、または仮想的に統合するというもの。それぞれのプラットフォームから統合されたDBにアクセスしリアルタイムでデータを反映することができる。同社カントリーマネージャーの高須賀敦氏は「例えば分析ツールなどのような参照系、プリントなどの出力系はWindows環境に持っていった方がレガシーに余裕部分ができ、TCO削減につなげることができる」と説明する。オープンプラットフォームに移行したシステムにおいては、開発環境やユーザーインターフェイス(UI)、パフォーマンスのしがらみなくアプリケーションを開発することも可能だ。

 後者は、レガシーとは別にオープン環境にクローンDBを作り、基幹サーバーから両方にアクセスする「ハイブリッド環境」を構築するという方法。こちらは最終的にはレガシーシステムをリプレースすることを目的とするが、レガシーシステムと同じデータでトライアル&エラーを繰り返しながら徐々にシステム移行することで、リスクを回避する。「ケースにもよるが、だいたい3年前後で次のマイグレーションに移るか決まることが多いので、レガシーのリース残がそれくらいのユーザーを対象としている」(高須賀氏)。


レガシーとオープンのDBの統合イメージ クローンDBの構築イメージ

 高須賀氏によると、現在レガシーシステムを運用している企業のうち、多くがオープンへの移行を検討しつつも、“引越”作業のリスクを恐れるあまり、情報システム部門の担当者は、自分が担当している間の移行を避ける傾向があると指摘する。「部分的な移行のすべてがいいとはいわないが、そうした担当者にもう1つの選択肢として提案したい」と高須賀氏。現在、NECや富士通、日立など国内で多く稼働しているレガシーシステムの対応版の提供も検討しているとのことだ。

 価格は最小で1000万円程度から。同社では、流通や金融系で特にBtoCサービスを提供している企業を中心に初年度10システムの納入を目指すとしている。



URL
  日本アタッチメイト株式会社
  http://jp.attachmate.com/

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  ・ パッチ配布向けに機能を「切り売り」、日本アタッチメイト(2004/11/19)


( 朝夷 剛士 )
2005/06/17 19:02

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