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富士通、3次元CADをWebアプリ化、シンクライアント運用を実現


SolidMX シンクライアント

従来システムとの比較

経営執行役常務 産業・流通ソリューションビジネスグループ長 五十嵐隆氏
 富士通株式会社は6月21日、3次元CAD(3D CAD)アプリケーション「SolidMX」の機能や操作性をそのままにWebアプリケーション化した「SolidMX シンクライアント」を発表した。既存のPCでどこでも利用できる特徴を生かし、3D CADの利用拡大を図る。

 SolidMX シンクライアントは、3D CADアプリケーションをサーバーにインストールし、クライアントPCからWebブラウザ経由でアクセスすることで利用できるソリューション。クライアントは一般のPCスペックで、ワークステーションと同等の操作性と同じ機能を利用することができる。

 膨大なデータ量を要する3D CADのWebアプリ化を実現したのは、同社が独自で開発したという3Dデータの圧縮技術。産業・流通ソリューション本部PLMソリューション事業部長の湯浅英樹氏によると、3D CADは2D CADの10倍から100倍のデータ量が必要であり、一般の転送では満足な応答速度を得ることができなかったが、SolidMX シンクライアントでは「10Mbpsで十分な応答速度を確保した」(湯浅氏)という。

 サーバーでの集中管理が可能となることで、インストールや設定、バックアップなどの運用コストを低減できる。同社によると、ある50台規模のワークステーションをシンクライアント化したモデルケースで、年間3000万円のコストダウンに成功したという。同社においても2Dの電気CADをシンクライアント化することで運用コストを半減した実績があり「胸を張って提案することができる」(湯浅氏)と自信を示している。

 また、ネットワーク環境があればどこでも利用できる「CAD利用のユビキタス化」(湯浅氏)を実現し、出張先からでも社内と同様の業務を行うことが可能。データはサーバーにのみ保存されるため、情報漏えいのリスクも軽減できる。同社経営執行役常務 産業・流通ソリューションビジネスグループ長の五十嵐隆氏は、これらの特徴を生かし、「グローバル企業や、専任の管理者をおけない中堅企業」など新たな市場にも進出し、まだ2Dを利用しているユーザーに3Dへの移行を推進していくとしている。

 対応OSは、サーバーがWindows Server 2003、クライアントPCがWindows XP/2000。価格は利用PCが10台までで50万円、50台までで150万円、無制限で400万円(すべて税別)。これに同時稼働台数分の「SolidMX ネットワークライセンス(1台あたり133万円)」が別途必要。出荷開始は7月28日。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2005/06/21.html


( 朝夷 剛士 )
2005/06/21 15:07

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