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「多くの開発者の参加を」-サン、OpenSolaris公開の理由を語る


米Sun Microsystems OpenSolarisマーケティング担当マネージャのClaire Giordano氏
 サン・マイクロシステムズ株式会社は6月22日、6月14日に公開されたOpenSolarisに関する記者向け説明会を開催した。

 OpenSolarisは、Solaris 10のカーネルなどのコアオペレーティングシステム、ネットワーキング、システムライブラリ、コマンドなどの主要部分のソースコードを対象としたもの。x64/x86とSPARCの両方を対象としている。ライセンス方式は、MPLをベースとした独自のCDDL(Common Development and Distribution License)を採用している。なお、ソースコードはOpenSolarisのプロジェクトサイトであるopensolaris.orgよりダウンロードできる。

 米Sun Microsystems OpenSolarisマーケティング担当マネージャのClaire Giordano氏は、OpenSolarisについて、「多くの開発者と係わり合うためにオープンソースとして公開した。これによりSolarisに参画したい人を引き付けたい」と説明。また、「オープンソース化により、Solarisを新しい世代のプラットフォームにすることもひとつの理由。そのほか、Solarisユーザーからオープンソース化の要望も高かったこともきっかけとなった」とし、多くのユーザー、特に開発者にSolarisの技術を使ってもらうことがオープンソース化の理由であるとした。そのため、既存のSolaris 10との関係について、「OpenSolarisをマーケティングツールとして利用するつもりはない」と、Solaris 10を販売するための道具ではないことを強調した。

 OpenSolaris公開から一週間が経過したが、すでにopensolaris.orgのMLには5700名が参加しているとのこと。「技術的な内容が中心だが、この一週間で1200通のメールが交わされている」とGiordano氏は活発な活動が始まっているとした。現時点では、英語ベースのコミュニティとなっており、各国語のサブプロジェクトなどはまだないが、「MLでもすでに検討が始まっているので、コミュニティ主体で近々動きがあるかもしれない」と、日本語のコミュニティの動きについても触れた。

 OpenSolarisの今後について、「OpenSolarisで開発されたものが、将来のSolarisで採用されることになる」とした。ただし、OpenSolarisとまったく同じ内容になるとは限らないとも補足。また、他社からOpenSolarisをベースとした別のSolarisが発売される可能性については、「ないとはいえないが、Solarisという名前が付いた製品は商標の関係で作れない」とし、他社製のOpenSolarisベースの製品が出る可能性については否定しなかった。



URL
  サン・マイクロシステムズ株式会社
  http://jp.sun.com/
  OpenSolarisプロジェクト
  http://www.opensolaris.org/

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  ・ 米Sun、Solaris 10のソースコードを公開-OpenSolarisスタート(2005/06/15)


( 福浦 一広 )
2005/06/22 20:11

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