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オラクル、「手軽に使える地図情報サービス」を構築可能なフレームワーク |
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LBSフレームワークとは、企業内データベースに格納されたデータを地図上に表示するための仕組みのこと。これを用いると、ASPの地図情報サービスから取り込んだ地図画像とデータベース内の売上情報、顧客情報などを重ねあわせて表示できるほか、ユーザーは地図を、Webブラウザから自由にスクロール、ズームイン/アウトさせることができる。 従来、こうしたソリューションは、空間データを総合的に加工して高度な分析を可能にするための「GIS（Geographic Information System、地理情報システム）」分野に分類されることが多かったが、アドバンストソリューション本部長の林徹氏によると、「LBSフレームワークは、GISと競合するものではなく、それを補完して新しい市場を開くもの」だという。 それは、同フレームワークが「地図と連動したシステムを簡単に構築するためのものだから」（林氏）。従来のGISは、情報をベクトルで持っていたため、細かい単位まで詳細に扱える代わりに、膨大な計算が必要だという欠点を備えていた。しかしLBSフレームワークでは地図を画像として取り扱うことで、高速な配信と高いユーザビリティを実現できたという。 実際の仕組みとしては、Oracle Databaseが持つOracle Spatialという機能を利用する。この機能を利用すれば、GISが空間データ専用データベースに格納していた空間データを、通常の構造化されたリレーショナルデータと同様にOracle Database内で扱えるようになるのである。そして、このデータベースの情報と、マップキャッシュサーバーがASPから取り込んだ地図情報を重ねあわせて、クライアント側に表示させる構造になっている。
また、LBSフレームワークの前バージョンを使用して、配送先を地図上にポイントする機能を備えていたある配送計画支援システムでは、線を描画する機能を新たに用いることで、最適な配送経路を表示したり、GPSと組み合わせてトラックの移動履歴を表示したり、といったことができるようになる予定だという。 もっとも、いくら機能が優れているからといっても、地図情報自体が手軽に入手できなくては意味がない。林氏はこの点について「以前は非常に効果だったが、ASPの普及で、月額数十万円の価格で地図情報が手に入るようになってきた。また、さまざまなデータも契約ベースで（安価に）手に入るようになっている」と述べ、周辺の環境が整ってきた点も、LBSフレームワークの普及を後押ししているとした。 また、類似するものとして米Googleが提供しているGoogle Mapsに触れた林氏は、「注目を集めてくれたのはうれしい」としながらも、「Google Mapsはサービス、LBSフレームワークはSIのパーツと、両社の取り組みには差があるが、まだ市場が理解していない」と主張。例として、「Google Mapsにデータを重ねて表示しようとする場合には、データをあらかじめ絞った上で投げなくてはならないが、LBSフレームワークでは、保有する業務データから検索して絞り込むところまでを一貫して提供できる」ことなどを示して、同フレームワークのメリットを強調した。
■ ＵＲＬ 日本オラクル株式会社 http://www.oracle.co.jp/ ニュースリリース http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1396
（ 石井 一志 ）
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