日本SSAグローバル株式会社は7月6日、ERPパッケージ「SSA ERP LX(旧製品名、SSA BPCS)」の最新版「SSA ERP LX 8.3」を発表した。同日より販売を開始する。また、日本アイ・ビー・エム株式会社と共同で「IBM-SSAコンピテンシーセンター」を設立したこともあわせて発表した。
SSA ERP LXのベースとなったBPCSは、1981年の発売より25年近い歴史を持つERPパッケージ。最新版では、従来からのBPCSという名称をERP LXに変更し、IBMのiSeriesに特化した製品となった。
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ERP LXの構成図。サーバーにはiSeriesを、WebサーバーにはWebSphereを採用している
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SSAテクノロジーアーキテクチャにより他製品との連携が容易になった
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最新版では、Webインターフェイスの向上と他製品とのコネクティビティの向上が図られている。従来、ユーザーインターフェイスとして、エミュレータのグリーンスクリーンと、クライアントサーバー、Webクライアントの3つが用意されていたが、最新版ではクライアントサーバーをWebインターフェイスに統合している。新しいWebインターフェイスでは、Outlookライクなユーザーインターフェイスを採用。マルチインスタンスへの対応や、カスタムメニューの作成も可能になっている。
また、従来製品ではアプリケーションごとにインターフェイスを作成して接続する必要があったが、最新版ではSOAを採用したSSAテクノロジーアーキテクチャーを利用することで、接続性が向上している。これにより他の製品とのコネクティビティが大幅に改善された。
そのほか、同時に発表されたプロセス主導ソリューション「SSA Workflow」との連携により、ERP LXで実行された処理をトリガーとしたイベントの実行が可能となる。同社シニアビジネスコンサルタントの栗原彰一氏は、「ERP側でイベントが実行されると、メールで通知が届き、承認・未承認などの作業がリアルタイムに行える。Workflowには、6種類のテンプレートを用意しているので、容易にワークフローを定義することができる」と、ERP LXと共に利用するメリットを紹介した。
最新版での大きな変更点として、iSeriesへの特化がある。これについて同社執行役員 アライアンス担当&マーケティング担当の山本恭典氏は、「既存ユーザーの8割がiSeriesを利用していること、シンプルな組み合わせが可能で管理・開発が容易であること」から、iSeriesに特化したと説明。「iSeries以外への対応については、旧バージョンを併売することで対応する」とした。
同社代表取締役社長の細井洋一氏は、「お客様に投資対効果をいち早く実現してもらいたいとの意味を込めた“forward faster”をビジョンに、そして日本のユーザーから学んだ顧客第一主義を理念とし、戦略的アライアンスによる市場シェアの増加と顧客シェアの増加を基本戦略として展開する」と同社の活動方針をあらためて示した。
発表会には、日本アイ・ビー・エム株式会社 オンデマンド・ビジネス e-ビジネス・ソリューションズ 理事の濱口通郎氏が出席。「コンピテンシーセンターでは、さまざまな組み合わせの中から、お客様に最適なものを提案できるようにしている。また、技術的な検証やサポートなども行う。コンピテンシーセンターが、提案する側・される側の双方にとって効率的に利用できる施設になることを希望している」と述べた。
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代表取締役社長の細井洋一氏
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日本アイ・ビー・エム株式会社 オンデマンド・ビジネス e-ビジネス・ソリューションズ 理事の濱口通郎氏
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■ URL
日本SSAグローバル株式会社
http://www.ssaglobal.co.jp/
ニュースリリース
http://regional.ssaglobal.com/mycountry/japan/latest_news/japanerplxlaunch?version=1
( 福浦 一広 )
2005/07/06 16:10
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