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富士通、「企業の変化に対応する」SOAに基づいたソリューション体系


SOA体系
 富士通株式会社は7月12日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいたソリューション体系を確立、対応するソリューションを順次提供すると発表した。

 今回発表されたのは、業務改革・IT投資分析を行う「ビジネスコンサルティング」、最適化された業務をIT化する「サービスインテグレーション」、これらを運用する「実行基盤」の各製品とソリューション。

 ビジネスコンサルティングでは、企業側の意見を取りまとめるための技法である「C-NAP/EPG」を使った「業務改革コンサルティング」と、投資効果の事前評価と各種KPIに基づく投資効果の分析・評価を行う「投資効果分析コンサルティング(IT投資マネジメント)」を提供する。

 サービスインテグレーションでは、同社の総合システム開発体系「SDAS」を強化した「SDAS/Service Modeling」を利用した分析・設計サービスを提供する。具体的には、システムのあり方の追求から入る「業務データモデリング」、業務の可視化・業務改善から入る「業務プロセスモデリング」、サービスが明確な場合に利用する「リファレンスモデル活用」など、顧客の課題やテーマに合ったSOA化へのアプローチをとることで、ビジネスプロセスの最適化を図るとしている。提供開始は、2005年第3四半期の予定。

 また、顧客の特性に合わせた業種・業務テンプレートや各種パッケージサービスなども提供する。2005年第2四半期中に、通信・電力・ガスなどの社会基盤向けSOA開発ソリューションと製造・流通などの産業流通向けSOA開発ソリューションを提供する予定。なお同社では、金融・医療・自治体・文教などの各業種向けのパッケージを今後拡充するとしている。

 実行基盤としては、同社のインテグレーションプラットフォーム「Interstage」を利用して提供する。既存サービスで異なる業務用語を統一するサービス管理リポジトリや、統一インターフェイスのサービスバスにより、既存アプリケーションやパッケージをサービスとして組み合わせることが可能となっている。そのほか、データ統合サービスやログのモニタリングサービスなども実現している。これらを実現するInterstage V7エンハンスは、2005年第3四半期に提供を開始する予定。


経営執行役常務 プロフェッショナルサポートビジネスグループ長の平田宏通氏
 同社経営執行役常務 プロフェッショナルサポートビジネスグループ長の平田宏通氏は、「企業にとって将来の予測が難しく、また計画が立てにくい環境で、いかに早く立ち上げられるかが重要となっている。SOAに基づいたソリューションを提供することで、ビジネス変化のスピードに対応できるシステムを実現し、長期的に安定したインフラを提供する」と、SOAを用いることで、変化の激しいビジネスにも対応するシステム構築を支援するとした。

 発表会では、SOAの考え方に即した事例として、KDDI株式会社のシステム統合を紹介。注文系・請求系でシステムを再構築した結果、システム総資産を5分の2まで削減、新規案件の開発期間も7カ月かかっていたものが2カ月まで短縮、結果として年間30億円のコスト削減効果が得られたとメリットを強調した。

 平田氏は、今回のSOAに基づいたソリューション体系について、「すべてがSOAを利用するとは限らないが、ソフト・サービス事業全体の後押しができると考えている」とし、SOA効果に期待を寄せている。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2005/07/12-2.html


( 福浦 一広 )
2005/07/12 15:44

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