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NEC、アウトソーシング事業を強化、「顧客の真のパートナーを目指す」 |
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NECによれば、現在のIT市場におけるセグメント別の割合を見たときに、「サポートサービスやSIサービスは縮小傾向にあるものの、ITアウトソーシングサービスは伸長しつつある」（マーケティング推進本部長 本部長の藤岡忠昭氏）という。実際、アウトソーシングサービスは2000年あたりから導入が増えたものの、一方では顧客である企業側から、「ITコストが本当に削減できているかがわからない」「ITの最新技術活用までに至っていない」といった不満の声があがってくるケースもあり、米JPモルガン・チェースのように、契約の解約や変更などを行った企業も出てきている。 NEC自身についても、アウトソーシングサービス分野の売り上げは伸びているが、こうした流れを受け、同社が請け負っている案件も、ホスティングや保守・運用のみを行うような単純なアウトソーシングではなく、新しいタイプが増えてきているという。たとえば、サーバー統合を実現しながらシステム運用をアウトソーシングする事例や、IT資産管理・セキュリティとデスクトップアウトソーシングを組み合わせた複合アプローチの事例、発表事例である佐川急便のデータ系ネットワーク基盤の総合アウトソーシング、などがそれだ。 今回NECは、こうした“新しいアウトソーシング”の流れに対応するため、アウトソーシング事業の強化を実施する。まずコンサルティング分野では、アウトソーシング戦略策定のためのコンサルティング「運用クリニック」を強化し、「TCO診断」「ITIL（IT Infrastructure Library）診断」「ガバナンス（監督）診断」のメニューを追加した。またITILやCOBIT（Control Objectives for Information and related Technology）といった標準を用いて、顧客企業のITガバナンス確立に向けた支援を実施する「アウトソーシングガバナンスコンサルティング」を新たに提供する。 加えて、災害など不測の事態が発生した際でも、事業が継続できる体制を確立するためのBC（事業継続性）分野において、BCコンサルティングサービスを提供。事業継続計画の策定から訓練、監査、見直しまでをトータルにサポートする。なおこの分野では、米SunGardからコンサルティング手法を導入し、日本の環境に合わせて改善した方法論を用いる。
そして、「顧客との関係をどう管理するかが大事」（山口氏）なことから、顧客の経営トップを含めた「ステアリングコミッティ（方針決定機関）」を設け、企業戦略との整合性を取れるようにする。またサービスはサービスレベルを決めてきっちりと管理する必要性があるため、サービスレベル管理を提供するとともに、モニタリング、レポーティングでそれを補完できるようにしていく。 一方、NEC内部の体制としては、社内に分散していた人材・知識を集約して、コンサルティングからサービス提供までを一貫して提供可能な、500名規模の事業体制を確立するとともに、ネットワークアウトソーシング専任の営業組織を、50名規模で新設した。同社ではこの両組織を軸に、グループ各社との連携を強化し、グループ全体で最適なサービスを提供できるようにするとのこと。 なおNECは、2002年度から2005年度までの期間で、全グループ規模のTCO削減計画「アタック25」を推進していることを明らかにした。グループをあげてサーバーやストレージの集約を実施し、25％のコスト削減を目指しているという。またNEC単体では、1万3000台の標準構成PC貸し出しを行い、集中管理によるセキュリティ一括対策、集中ヘルプデスクによるTCO削減を実現したという。 同社はこうした施策から得たノウハウと、これまで提供してきたアウトソーシングにおけるガバナンスの成功例を生かし、今後もアウトソーシング事業を推進。現在1000億円強という同分野の売り上げを、2008年度には1500億円規模に拡大していきたいとしている。 ■ ＵＲＬ 日本電気株式会社 http://www.nec.co.jp/ プレスリリース http://www.nec.co.jp/press/ja/0507/2506.html
（ 石井 一志 ）
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