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仮想サーバーと仮想ディスクを組み合わせたレンタルサーバーサービス


 株式会社テイルバックは9月7日、仮想サーバーと仮想ストレージを統合したシステム「GrowServer 第3世代(以下、GrowServer)」を使ったレンタルサーバーサービスを発表した。10月3日より提供開始する。

 GrowServerは、ヴイエムウェアの仮想サーバー「VMware ESX Server」と、データコア・ソフトウェアの仮想ストレージ「SANmelody」を連携した、安定性と拡張性の高さが特徴のシステム。VMware ESX Serverにより物理サーバーの中に仮想的なマシンを構築し、「Vmotion」技術によって稼働するシステムをノンストップでハードウェア間を移動することで、メンテナンスなどによる計画的なサービス停止を解消することができる。

 また、RAID 1+0で構築したディスクを束ねる仮想ディスクをSANmelodyによって構築する。仮想ディスクには、FCディスクと32GBのキャッシュメモリを備え「ランダムリードで最大70倍」(同社)という高性能を実現したほか、これをさらにミラーリングしてRAID 1+0+1構成とした。バックアップ・ホットスワップを含めて実データに対し10倍の物理ディスクを使用し、高い可用性を実現する。

 このGrowServerを利用したレンタルサーバーサービスとして、同社ではサーバーのディスク容量やメモリ、CPUなどから6通りのモデルを用意する。開発・テストサーバー向けの最も廉価なEモデルは3万円/月から。Webサーバー向けの標準的なBモデルが10万円/月、最高位のSモデルが30万円/月。こうしたモデルは1カ月単位の契約で、1週間(トラフィックが低ければ即日も可とのこと)で構築・変更が可能であることから、小規模なビジネスからの拡張にも最適としている。


GrowServer 第3世代のシステム構成 ディスク構成

代表取締役社長 山田敏博氏
 同社代表取締役社長の山田敏博氏によると、GrowServerは2004年6月より順次拡張を続けており、第2世代から全モデルをVM化、2.5世代のサーバー強化を経て、第3世代よりディスクの仮想化に踏み切ったという。今後は「ミドルウェアレベルでの完全クラスタ構成、および広域ロードバランスによるDR(Disaster Recovery:災害復旧)対応の“対障害だけでなく対災害”性を備えたノンストップシステム」を検討しているという。

 同社では、GrowServer第3世代のサービス開始にともない事業を拡大し、稼働VM数を現在の150台から2年後には1000台、年間売上高3億円を見込んでいる。また、現在約6割が親会社の株式会社アイ・エム・ジェイグループを顧客としているが、社外への営業も強化し、販売チャネルの拡大も予定しているという。



URL
  株式会社テイルバック
  http://www.tailback.co.jp/
  GrowServer
  http://www.growserver.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2005/09/07 18:56

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