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「出足は好調」デルの企業向けPC買取サービスとアウトソーシングサービス


サービスマーケティング本部・マネージャーの橘宏至氏
 デル株式会社が9月下旬から企業向け総合サポート「デル・マネージド・サービス」の新サービスとして、DMS PC Buyback ProgramおよびDMS Lightの2つを追加したが、これが好調な動きを見せている。

 DMS PC Buyback Programは、デル製品を新規に購入するユーザーを対象に実施するPC買取プログラム。早くも当初想定していた年間2万台規模の買い取り見込みを大幅に上回る出足を見せているという。

 同サービスは、デルのPCを新規購入するユーザーを対象に、専任プロジェクトチームが、買い取り対象機種の選定、買い取り価格などを決定し、合意すれば、デルのパートナー会社が引き取るもの。買い取るPCが30台以上の場合が対象となる。

 「買い取り価格は、基本的にはCPUのクロック周波数で決定する。目安として、Pentium II 450MHz以上の機種に関しては買い取り価格がつくことになり、4~5年前に導入した製品の買い換えなどに利用されている」(デルのサービスマーケティング本部・橘宏至マネージャー)という。

 法人対象のPC買い取りサービスは、これまでにもNEC、日本IBMが取り組んできたが、デルの正式参入によって、さらに本格化するとみられる。

 買い取られたPCは、NEC、日本IBMは、自社で再生し、自社ブランドの中古PCとして流通させているが、デルはパートナー会社での動作確認や、HDD内のデータ消去を行ったのちに、パートナー企業独自の中古PCとして販売する。

 一方、同じく9月下旬に開始したDMS Lightも、中堅、中小企業ユーザー向けのサービスメニューとして、問い合わせが相次いでいるという。

 これまでデルが法人向けサービスとして提供してきた「DMS」では、資産管理サービス、導入サービス、ヘルプデスクサービス、フィールドサービスを用意してきたが、サポート内容や料金設定が、大手ユーザー企業などを対象としていたこと、さらに、メニューの組み合わせが個別企業ごとでの構成であったために、利用者が限られていた。

 DMS Lightは、サービスメニューの見直しなどによって、クライアントPCが50台以上の中堅、中小企業のユーザーでも契約可能な内容としたもので、PCおよびOSの問い合わせ窓口の役割を担う「ヘルプデスクサービス」、PC資産の管理を行う「資産管理サービス」、顧客のサイトで障害切り分けを行う「デスクサイド・サポート・サービス」の3つのサービスを標準パッケージとして提供する。

 1台あたり月額1575円で提供するという明確な料金設定も中堅、中小企業から評価が高いという。

 サポートは、10社を超えるデル・サービス・プロバイダー(DSP)を通じて提供される。

 デルの橘マネージャーは、「50台以上、1000台程度までのユーザーが対象になるが、すでに1000台規模のユーザー企業からの問い合わせや、拠点ごとに分散したサポート環境の改善に活用したいといった商談もあり、予想以上の反響。料金体系やサービス内容が明確に提示されたことで、改めてデルのクライアントPCサポートに興味を持つユーザー企業も出てきている。DMS Lightを切り口に、DMSサービスの契約者を増やすことも可能だろう」としている。

 同社では、今回の2つのサービスの提供によって、PCのライフサイクル全体をカバーするサービス体制が整ったとしている。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/

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  ・ デル、使用済みPCの買取プログラムなどクライアントPCの管理サービスを強化(2005/09/20)


( 大河原 克行 )
2005/10/06 13:22

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