日本電気株式会社(NEC)は、夜間や休日に使用されていないPCをクラスタ化し、計算処理を振り分けるサイエンスグリッドコンピューティング用ミドルウェア「WebSAM GridSchedulingMaster(以下、GridSchedulingMaster)」を発表した。同日より出荷開始する。
GridSchedulingMasterは、Windows、Linux、Mac OSなど各種OSが混在した環境において、PCやワークステーション1台ごとのアプリケーションソフトを連携させて計算処理をすることができるミドルウェア。個々のコンピュータを意識することなく、Webの操作画面から、あたかも1台のコンピュータシステムを操作するように計算処理を指示することが可能で専門知識がなくても利用できるという。また、サイエンスグリッドコンピューティングシステムを個別に構築する場合に比べて1/3程度のコストでシステム構築できるとしている。
同社では、これを大学などにおける研究活動のほか、製造業における設計シミュレーション、製薬会社のバイオ研究、金融業における金融工学計算やデリバティブ解析など科学技術計算を必要とするユーザーに対して、現行のコンピュータリソースを有効に活用するソリューションとして提案していく方針。システム構築を支援や、ユーザー固有のカスタマイズにも応じる。
価格は370万円(税別)から。今後3年間で100システムの出荷を目指す。
パイロットユーザーとして東京農工大学に導入し、2つのキャンパスのパソコン教室に設置されている320台のPCについて、昼間は学生の授業に用いながら、夜間は研究活動に活用できるようにしたという。
同社は、2004年の約200億円から2008年には約5000億円にまで拡大すると推測されているグリッド関連市場において、2008年には国内シェア30%を目指すとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2005/10/18 12:50
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