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「OpenOffice.org 2.0を使ってみてください」-日本ユーザー会がアピール


OpenOffice.orgコミュニティのLouis Suarez-Potts氏
 オープンソースコミュニティのOpenOffice.org日本ユーザー会は11月1日、10月28日に日本語版を正式リリースした「OpenOffice.org 2.0」に関する説明会を開催した。説明会には、OpenOffice.orgコミュニティの結成時よりコミュニティマネージャーを務めてきたLouis Suarez-Potts氏が参加、OpenOffice.org 2.0の新機能や特長などが語られた。

 Suarez-Potts氏はOpenOffice.orgのメリットについて、「フリーオープンソースソフトウェアであるということ。いくつかのベンダーによりサポートサービスが提供されていること。オフィススイートであり、さまざまなOSで動作すること。そして、オープンスタンダードなOASIS標準OpenDocumentファイル形式を使っているということ」と紹介。特にOpenDocumentファイル形式を採用した点が重要であると強調する。

 「独自のファイル形式を使っているソフトの場合、独断的に変更される可能性がある。これに対し、OpenDocumentはオープンスタンダードなファイル形式で、いったん決まったフォーマットは容易に変更されることはない。つまり、このファイル形式を使っていれば、今後数十年にわたって容易に読むことができる」と、Microsoft Officeを使い続ける危険性に触れ、OpenOffice.orgの利点を説明する。「特に政府機関に対して、納税者のお金を無駄にせず、そして将来にわたって利用できるファイル形式を採用したOpenOffice.orgを使うことを希望する」と、企業や政府機関に対し、OpenOffice.orgの使用を働きかける考えであると述べた。

 OpenOffice.org 2.0では、日本語文字化けなどが起こっていた問題をほぼ解消したという。「OpenOffice.org 1.0を使ったことのある方は、日本語環境に十分対応していなかったという印象を受けておられるようだが、2.0では問題はほぼ解決している。一度使ってみていただきたい」(OpenOffice.org日本ユーザー会の可知豊氏)と、日本語対応のオフィス製品として使用できるクオリティであるとした。ただし、日本語の禁則処理や罫線をマウスで描く機能といった日本語版に求められている機能については、2.0には含められておらず、独自ビルドで対応するとのこと。


Microsoft Officeと似たデザインのツールバーを採用したワープロソフトの「writer」。PDFの出力機能も充実している 表計算ソフトの「calc」。最大行数65536対応により、Excelとのファイル互換性が向上 プレゼンテーションソフトの「impress」。PowerPointとの互換性が高いカスタムシェイプが追加された

 OpenOffice.orgには、付加価値が付けられた「StarSuite」などの製品も用意されており、合計で5200万ライセンスがこれまでに提供された。また、オフィス製品のシェアでは7~8%がOpenDocumentを利用している製品といったアナリストによる調査結果も報告されているという。ただし、日本国内での利用者数については、「カウントできていない」ため不明とのこと。「現状、定量的なマーケティングができていないので、今後充実させていきたい。日本においても、オフィス製品の7~8%のシェアが獲ることを目標としたい」(可知氏)。「まずはOpenOffice.orgを使っていただきたい。そして評価をしていただきたい」と、まずは利用してもらうところからスタートする考えを示した。

 Microsoft Officeの次期バージョン「Office 12」では、ユーザーインターフェイスが変更されると発表されており、OpenOffice.orgでもそれに追随するのかとの質問に対し、Suarez-Potts氏は、「Microsoftの変更はユーザーを困惑させるものになるだろう。OpenOffice.orgはユーザーの声を反映させて開発している。必ずしもMicrosoftのユーザーインターフェイスにあわせる必要はない」と、Microsoft Officeをキャッチアップすることだけが目標ではないとした。



URL
  OpenOffice.org日本ユーザー会
  http://ja.openoffice.org/
  OpenOffice.org 2.0 ダウンロード
  http://ja.openoffice.org/download/2.0/

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  ・ フリーのオフィススイート「OpenOffice.org 2.0」日本語版リリース(2005/10/28)


( 福浦 一広 )
2005/11/01 19:35

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