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サイボウズ、メール対応を効率化するCRMソフトの新版

「10年以内にどの会社にも入る」と青野社長

代表取締役社長 青野慶久氏
 サイボウズ株式会社は11月7日、Webベースのメール共有システムの新バージョン「サイボウズ メールワイズ 3(以下、メールワイズ3)」を発売した。

 メールワイズは、組織の代表メールアドレスなどに送られてきたメールをグループ内で共有し、顧客からの問い合わせなどへの対応を効率化するWebアプリケーション。また、メールの送信者情報を基にした顧客管理機能も併せ持ち、対応履歴を残したり特定集団の顧客に対してキャンペーン情報を一斉配信するといったCRM機能も備える。

 メールワイズは、単独でメールサーバー機能は持たず、サーバーとクライアントとの間でPOP3クライアントとして動作する。サーバーから取得したメールをスプールし、利用者間で共有することができる。スプールしたメールには「未処理」「○○が処理中」といった表示がされ、対応忘れや重複対応などを防ぐ。また、メールを送信者や用件別に分別して管理することができ、顧客との対応履歴などを参照することが可能だ。

 代表取締役社長の青野慶久氏は、メールワイズは顧客管理の効率化とミスを防ぐとともに、別の担当者がどのような対応をしたかといった履歴をグループ全員が参照できることから「メールを会社の資産として活用できる」と述べ、顧客への対応品質を向上できるとした。また、メールワイズのようなシステムが「10年以内にどの会社にも入るだろう」と自信を見せた。


メールワイズ3の操作画面 対応状況や担当者を確認できるため二重対応の心配がない 問い合わせなどに対応する際、同一顧客への対応履歴を担当者にかかわらず参照できる

 今回発表されたメールワイズ3は、従来1製品につき1システムしか構築できなかったところを、複数構築することが可能となり、1サーバーでサポート、営業、人事といった複数部門にわたって利用できるようになった。

 また、管理可能な最大メールアカウント数を10個から50個に、部署や業務ごとに管理画面を分ける「メールアプリケーション」最大5個まで追加可能となるなど拡張性を向上した。システムやメールアプリケーションにはアクセス権を設定でき、他部署ユーザーの閲覧やアクセスを制限できる。こうした強化により「よりさまざまな用途に使えるようになった」(青野氏)。

 このほか、メール送受信数の上限(約10万件)を超えた場合に過去のデータを待避(検索・閲覧のみ可)させ負荷を低減することが可能となり、またWeb上の定型フォームからメールで取得した顧客情報を自動的にデータベースに取り込む機能が追加された。

 販売面でも見直しが行われ、従来のWebサイトからダウンロードすることによる直販のみから、パートナー(現在12社)からの販売も開始する。また、価格も3ユーザー、5ユーザーといった少人数向けを従来の約半額とし、最小98,000円からとした。青野氏によると、これまで600以上の部署に導入されたうち「約6割が3~5ユーザー版で楽天で出店しているような小規模ユーザー」とのこと。

 青野氏はメールワイズが国内のCRMパッケージでシェア2位(ミック経済研究所調査、1位はソフトブレーン)とするデータを示し、「来年は販売本数で1位をとる」と意気込みを示した。


メールワイズを利用している菓子メーカーのモンテールのシステム図。メールサーバーは外部のASPを利用している 分散した拠点で顧客からの問い合わせメールの進ちょく状況を共有し、それぞれで対応することが可能となった


URL
  サイボウズ株式会社
  http://cybozu.co.jp/
  プレスリリース
  http://cybozu.co.jp/company/news/2005/20051107.html
  メールワイズ製品情報
  http://crm.cybozu.co.jp/
  モンテールの導入事例
  http://crm.cybozu.co.jp/jirei/monteur/index.html


( 朝夷 剛士 )
2005/11/07 12:40

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