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ソリューション統括本部PLMソリューション プリンシパルの松村浩史氏
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SAPジャパン株式会社は11月7日、SAP設備保全ソリューションの最新版を発表した。mySAP ERP 2004の一部機能であったものをアップグレードして提供されるもので、日本の商習慣に特化したパッケージやRCM(信頼性重視保全)との連携機能などが強化されている。
同社ソリューション統括本部PLMソリューション プリンシパルの松村浩史氏は、「2007年問題により現場スキルが失われたり、新設プロジェクトよりも既存プロジェクトの維持が中心となるなど、設備保全そのものの変化が大きくなっている」と、高度成長期のモデルのままでは、設備保全が不十分になってきているとし、こうした課題に対応するのが、同社のソリューションであると説明する。
SAP設備保全ソリューションは、設備保全だけでなく、設備と資産にかかわる業務と情報全体に着目することで、設備ライフサイクル全体の最適化をはかれるのが特長。今回のバージョンでは、設備保全を外注に発注するなどの日本の商習慣に対応する設備保全システムを用意。また、東洋エンジニアリングと協力してコンサルティングパックも開発した。そのほか、現場と経営をつなぐものとしてRCMO(Reliability Centered Maintenance Optimizer)を用意。EAM(Enterprise Asset Management)との連携により、保全勧告の作成や保全計画の作成、レビュー基準の設定などが行える。また、Webを通じて文書や図面の共有ができるなど、社外企業との連携機能も用意されている。
同社のソリューションは、グローバルでSAP導入企業の約10%にあたる3000社が導入、「グローバルで10~20%程度のシェアを持っている」という。しかし、日本では30社程度の導入と他の地域に比べて低い。この要因について松村氏は、「よくも悪くも現場の力が強く、本社がタッチしていないことが多いため、導入にいたっていないのではないか」と説明。同社としても、こうした問題点を解決しながら、グローバルと同様にSAP導入企業の約10%の企業への導入を目指すとした。「ただし、いきなり100社で導入というのは難しいので、来年は10社、その次の年はその倍というように伸ばしていきたい」と語った。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
( 福浦 一広 )
2005/11/07 16:39
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