サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は11月9日、Java統合開発環境の最新版である「Sun Java Studio Enterprise 8」を発表した。
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Sun MicrosystemsのJava Developer Platform and Developer Products担当バイスプレジデント、ジェフ・ジャクソン氏
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都内で開催されている「JavaOne Tokyo 2005」の基調講演後に行われたプレス向け発表の場において、米Sun MicrosystemsのJava Developer Platform and Developer Products担当バイスプレジデントであるジェフ・ジャクソン氏は、「Java Studio Enterprise 8は、SunのJava開発環境ツールに関する新戦略により、開発者は「Sun Developer Network」にユーザー登録を行うだけでSun Java Studio Enterprise 8をダウンロードして使用できる」と述べた。
Java Sutudio Enterprise 8は、オープンソースのJava開発環境の最新版である「NetBeans 4.1」をベースとして開発され、その上に企業におけるアプリケーション開発に必要な機能が追加されている。これはIBMにおけるEclipseとWebSphere Studioの関係に似ているが、Eclipseをオープンソース化したIBMも、最新版の開発ツールであるWebSphere Studioは有償である。しかし、サンでは企業向け開発ツールも無償で提供することに決めたのである。さらに、サンは同戦略に基づいて、GUIの開発生産性を向上するJSF(Java Server Faces)を実装した開発ツールである「Sun Java Studio Creator」も、無償で提供することを明らかにしている。
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Sun MicrosystemsのDeveloper Tools担当マーケティングディレクター、ダン・ロバーツ氏
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Sun MicrosystemsのSoftware担当 RDE テクニカル・ディレクター、チャールズ・ベッカム氏
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また、Sun MicrosystemsのDeveloper Tools担当マーケティングディレクターであるダン・ロバーツ氏は、「開発者からコストの障壁を取り除くことで、ユーザーが拡大し、トレーニングやサポートでの収益を見込むことができる」と述べ、さらに「開発者同士の交流による生産性の向上も期待できる」としている。
気になるJava Sutudio Enterprise 8の機能であるが、J2EE 1.4対応で、UMLによるデザイン機能や、アプリケーションの性能を検証するプロファイリング機能、メッセージングサービスなどチーム開発には欠かせないコラボレーション機能などが搭載され、アプリケーションのライフサイクル全体をサポートする統合開発環境となっている。マルチプラットフォーム対応で、Solaris以外にもWindows上で動作する。また、対応アプリケーションサーバーも、新たにBEA WebLogic Server 9.0、JBoss Application Server 4.0、およびIBM WebSphere6.0が追加されている。
さらに、Sun MicrosystemsのSoftware担当 RDE テクニカル・ディレクター、チャールズ・ベッカム氏は、「Java Sutudio Enterprise 8はNetBeans 4.1をベースに開発されているため、例えばNetBeans MobilityモジュールをJava Studio Enterprise 8にインストールすれば、J2ME(Java 2 Platform, Mobile Edition)のアプリケーション開発をサポートすることもできる」と述べた。
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コラボレーション機能
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開発アプリケーションの性能解析
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UMLモデリングの統合
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■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
プレスリリース
http://jp.sun.com/company/Press/release/2005/1109.html
製品情報
http://jp.sun.com/products/software/tools/jsenterprise/
( 北原 静香 )
2005/11/09 19:34
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