日本電気株式会社は11月18日、サーバーの障害復旧を高速・低コストで実現する「高速リカバリ技術」を開発したと発表した。同技術により、従来困難であった1000台規模で高い信頼性を持つサーバーの障害の発見・復旧を数秒以内に行えるとしている。
今回発表された高速リカバリ技術は、障害が発生したプログラムを高速に復元するプロセスリカバリ方式と、大規模なクラスタを構成するコンピュータの障害を短時間で発見するクラスタ監視方式から構成される。
プロセスリカバリ方式では、メモリの使用量を削減したプロセスリプリケーションを実現。プロセスリプリケーションは、サービス実行中のプログラム(プロセス)の複製を別のコンピュータで保持し、障害発生時には複製されたプロセスを使ってサービスを復旧させる技術で、復旧時間を短くできるものの元のプロセスと同じだけのメモリが必要であった。今回の方式では、プロセスの複製データ中で最近アクセスされていない部分をストレージに保持することで、複製を保持するためのメモリの使用量を1/3から1/10に削減、複製を保持するコンピュータの数の削減につながっている。
クラスタ監視方式では、監視用サーバーに送るモニタリングデータのサイズを、通常時と高負荷時で変更することで、監視用サーバーの負荷を削減。これにより、1台のサーバーで1000台規模のクラスタ構成型サーバーの監視と、数秒以内の障害発見が可能になっている。
同社では、情報システムの高信頼性を実現するため、クラスタ構成型サーバーの高信頼化技術の確立を目指し、研究・開発を強化するとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0511/1802.html
( 福浦 一広 )
2005/11/18 12:34
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