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日本オラクル、コンプライアンス管理製品群を体系化して提供-“効果は自社で実証済”


 日本オラクル株式会社は1月26日、企業のコンプライアンス管理や内部統制強化に関する製品群を「オラクル・コンプライアンス・アーキテクチャ」として体系化し、提供していくことを明らかにした。

 日本オラクルではこれまでも個々の製品として、企業内のコンプライアンス管理などに利用できる製品は提供してきているが、「(ユーザーの目に)ポイントソリューションとして映っていたものを、体系立ててアーキテクチャとして提供していく」(執行役員 システム事業推進本部長、三澤智光氏)ため、新アーキテクチャを発表したという。

 このアーキテクチャの最大の特徴は、「必要なすべてを包括しており、この中にある手続きに従えば、日米の厳しい要求に的確に対応可能」(常務執行役員 最高財務責任者 ファイナンス本部長、松岡繁氏)なこと。すでに同社内では、同アーキテクチャ内の自社ソリューションを数多く用いて法令順守を行ってきており、その効果は自ら実証済みという。


オラクル・コンプライアンス・アーキテクチャの構成要素。非常に多くの内容を含んでいる 左の表に実際の製品を当てはめるとこういった形になる 常務執行役員 最高財務責任者 ファイナンス本部長、松岡繁氏

取締役 常務執行役員 インダストリー&アプリケーション事業統括 アプリケーション事業推進本部長、保科実氏

執行役員 システム事業推進本部長、三澤智光氏
 この裏付けとして松岡氏は、日本オラクルは米Oracleの連結子会社であるが、また国内の上場企業でもあるという立場から、日米両国の法規制の影響を受けているということをあげる。現在話題の日本版SOX法はまだ正確な内容が見えていないものの、「(目的が同じであることから)対応は、米国と本質的にはあまり変わらないと思う。当社は、米国の、世界で一番厳しいルールに準拠していなければいけないが、その当社が日々の活動の中で現実に使っているものを提供できる」として、十分に対応可能とした。

 実際の構成としては、業務効率化、内部統制強化、可視化など、多くのテーマにそった多数の製品が用意されている。まず、業務効率化の分野では、「人手を介するからミスが起きる。いかに、業務プロセスをシンプルに、効率的にして、ITを用いて自動化するか」(取締役 常務執行役員 インダストリー&アプリケーション事業統括 アプリケーション事業推進本部長、保科実氏)がポイントとして、ビジネスアプリケーション「E-Business Suite」や文書化ツール「Tutor」などで支援する。

 また内部統制強化では、「Internal Controls Manager」(ICM)によって、業務プロセスの明確化・文書化、評価実施と結果をもとにした改善、の各フェイズをサポート。さらにICMは2006年中に発表される予定の新版で、連結決算モジュールとの連携機能が追加され、財務諸表の数字と内部統制評価の結果を結びつけて承認を受けることも可能になるとのこと。

 一方、可視化においては、「Corporate Performance Management」などで、財務諸表と関連資料を法令に基づいた形で公開できるように支援するほか、経営者が正確なデータをもとに迅速な経営判断を行えるようにするという。保科氏は「当社では、単なるSOX法やコンプライアンスへ対応させるということだけでなく、リアルタイム経営、はたまた企業価値の最大化といったプロアクティブな機能までを提供できることが強みになる」と述べた。

 加えて、単に製品を導入するだけでは十分対応したとはいえないことから、このアーキテクチャの中にはソフトウェア製品だけでなく、コミュニケーション、教育といった要素も含んでいる。三澤氏は、基本的なところから詳細なものまで多くの研修メニューを提供するとしたほか、同社製品を用いてパッケージなどを提供しているISV向けの支援サービスを行うことや、BI(Business Intelligence)、インフラ構築、セキュリティ強化などのコンサルティングも積極的に提供していくと語っている。

 なお日本オラクルでは同日、オラクル・コンプライアンス・アーキテクチャの構成要素の1つとして、ID管理・アクセス管理製品をパッケージ化した「Oracle Identity and Access Management Suite」も発表している。提供は2月27日からで、価格は1ユーザーあたり1万円。

 このパッケージにはシングルサインオンを実現するための「Oracle COREid Access」や、ID情報の管理を担当する「Oracle COREid Identity」をはじめ、7つのコンポーネントが含まれており、ID管理プロセスのルール化と確実な実行を支援可能。セキュリティ基盤の確立を支援するとのこと。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1519
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1520


( 石井 一志 )
2006/01/26 17:41

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