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リコーと日本オラクル、複合機を文書管理クライアントにするドキュメントソリューション
入力・出力端末として利用されるリコーの複合機「imagio」
リコーの販売事業本部 ソリューションマーケティングセンター ソリューション企画室 室長、平岡昭夫氏
日本オラクル株式会社、株式会社リコー、伊藤忠テクノサイエンス株式会社(以下、CTC)の3社は2月6日、紙ドキュメントの電子化活用を含めた、コンテンツ管理ソリューション分野で協業すると発表した。
この協業を受けリコーと日本オラクルは、リコーのデジタル複合機「imagioシリーズ」をWebDAVプロトコルに対応させ、日本オラクルのコンテンツ管理・コラボレーションソフト「Oracle Collaboration Suite 10g」(OCS 10g)のクライアント端末として利用するソリューションを開発した。
対応可能なのは2005年1月以降に発売されたimagioシリーズ。リコーの販売事業本部 ソリューションマーケティングセンター ソリューション企画室 室長、平岡昭夫氏によれば、「現在の複合機は1つのPCのようなもので、Javaエンジンを搭載しており、外部アプリケーションをのせることが可能」とのことで、今回の連携機能も追加のアプリケーションとして提供される。
具体的な連携機能としては、imagioシリーズでスキャンした紙文書を、OCS 10gへ直接登録する機能、また逆に、OCS 10gで管理されている文書ファイルを直接印刷する機能が使えるようになる。OCS 10gはWeb会議からIM(インスタントメッセージング)、メール、スケジューラーなど多くの機能を備えたコラボレーションソフトだが、今回imagioシリーズと連携するのは、コンテンツ管理機能の部分だ。
OCS 10gのコンテンツ管理機能では、社内のさまざまなところに散在している文書ファイルを一元して収納できるだけでなく、必要な情報を検索したり、業務ワークフローと連携したり、利用後の確実な保存・削除が可能になるなど、ライフサイクル全般を管理することが可能。今回開発されたソリューションを利用すれば、紙文書も含めてライフサイクル管理を行えるようになるため、業務効率の向上や、内部統制強化といった恩恵を受けることができるという。
もっとも、これまでもPCを介して紙文書をOCS 10gへ取り込むことは可能だった。しかしいったんPCへ取り込んで、その上でPCからデータを登録、という手順を踏むよりは工数の削減が見込める。さらに、「一般的に、文書スキャン時には解像度などの設定を行う必要があり、操作を間違いやすい」(平岡氏)ことから、このソリューションでは、注文書、申請書など文書ごとに必要要件をプリセットしておき、ワンタッチで適切なスキャンを行えるようにする「One Action Scan(仮)」インターフェイスを採用。ユーザビリティに配慮している。
WebDAVプロトコルを用いているため、インターネットを越えたシステム構築も可能という
One Action Scanインターフェイスでスキャン時の設定を簡略化している
OCS 10g上にあるコンテンツを印刷する時の操作画面例
CTCではeWork@CTCで、OCS 10gを統合ファイルサーバーとして活用中。さらに、文書ライフサイクル管理全体を管理できるシステムも計画中という
一方で、システム構築や保守・運用に関しては、リコーが複合機の販売・保守を担当し、CTCがSIを担当する。CTCでは社内オフィス環境「eWork@CTC」において、統合ファイルサーバーとしてOCS 10gを導入しており、グループ全体で計5600ユーザーが活用中だとのことで、ここで培ったノウハウを生かして、OCS 10gとimagioシリーズによるソリューションを積極的に展開していく意向だ。
主要な対象は上場企業など比較的大手の企業で、価格は1000人規模の場合で4000万円~5000万円程度からになる見込み。リコーでは、「(大企業には)当社のものか競合製品化はともかく、複合機が入っていないということはないだろう。複合機のリプレースのタイミングで、(OCS 10gを含めた)このソリューションを提案することになるのではないか」(平岡氏)と見ており、初年度30社、30億円程度の売り上げを想定している。なお、提供開始は2006年夏ごろの予定。
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URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
株式会社リコー
http://www.ricoh.co.jp/
伊藤忠テクノサイエンス株式会社
http://www.ctc-g.co.jp/
ニュースリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1522
( 石井 一志 )
2006/02/06 17:41
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