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米Oracleのグループ副社長、マーク・キーバー氏
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日本オラクル株式会社は3月1日、業務アプリケーション「Oracle E-Business Suite」(Oracle EBS)の導入支援ツール「Oracle Accelerators」日本版を、同日より提供開始すると発表した。同社のパートナーに無償で提供される。
Oracle Acceleratorsは、業種・業務ごとに定義された標準業務フローを中核とするツールで、設定自動化ツール、導入に関連したテスト、ユーザー教育、導入ガイドなどから構成され、顧客企業へのOracle EBSの迅速な導入を支援する役目を担う。従来の早期導入支援では、日本オラクルとそのパートナー企業から提供される中小企業向けパッケージ「Oracle NeO」がそうであるように、あらかじめ事前設定を行ったテンプレートを用いるケースが多かった。しかしこのアプローチでは、顧客の実際の業務範囲・フローと事前設定が合わないと結果として導入が長期化してしまうなど、大企業ではあわないケースが多く見られたという。
そこで日本オラクルでは、パラメータのプリセットは行わないかわりに、法制度や業界個別の商習慣などは取り込みながらも、顧客のニーズに応じた業務フローを自由に、簡単に設定できるOracle Acceleratorsで、こうした課題に応えるという。
導入にあたっては、ユーザーが選択した業務フローに対して、あらかじめ設定されている質問に回答していくと、その結果が自動的にOracle EBSの関連個所へ自動で入力される仕組み。またOracle EBS 11i 10のモジュールから構成されており、100%同じコードであるため、通常通りの方法で、別のモジュールを追加したり、設定を変更したり、といったことも可能になっている。「業務フローのアプローチを使うと、最初のトランザクションテストが数時間でできるようになる。ここまで早く徹底したものは、Oracle Acceleratorsだけだ」(米Oracleのグループ副社長、マーク・キーバー氏)。
キーバー氏によれば、ワールドワイドではすでに26業界をカバーする1000種の業務フローカタログが用意されているとのことだが、国内ではまず自動車部品業界向けの29フローと、幅広い業種で適用可能な22フローから提供を開始する。今回提供される中には、購買管理、生産管理、在庫管理、販売管理、会計管理といった業務フローが含まれ、日本の法制度、業種や商慣習などのビジネス要件が盛り込まれているとのこと。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
ニュースリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1542
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( 石井 一志 )
2006/03/01 17:54
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