株式会社シスラボは4月14日、ドイツのコンダット社と販売提携を行い、第一弾としてモバイルアプリケーション用ミドルウェア「Skyware(スカイウェア)」のソリューション営業を4月から開始したことを発表した。
Skywareは、各種携帯端末を使ってERPなどの基幹業務プロセスやデータにアクセスできるモバイルアプリケーションの開発を容易にするミドルウェア。
佐藤曠弌社長はSkywareの販売に向けて、「コンダット社は4年前にSkywareを開発し、これまでにドイツ鉄道、ドイツ連邦警察、ダイムラーベンツ、シーメンスなど数多くの主要企業に新たなモバイルソリューションを構築してきた実績をもっている。シスラボとしては、こうしたドイツでの導入実績をベースに、日本企業に最適化した独自のソリューションを加えてSkywareを提案していきたい。モバイルを使うというよりも、モバイルによって従来の概念を超えたビジネスモデルの実現を目指す」と意欲を語った。
発表会には、コンダット社のステファン・ウィズナーCEOも同席し、「コンラッド社は、モバイルソリューションで豊富な経験とノウハウをもっている。この販売提携を機に、ドイツだけでなく日本市場においても新しいモバイルソリューションを次々に投入し、ビジネスエンタープライズマーケットの開拓に積極的に取り組んでいきたい」と述べた。
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シスラボの佐藤曠弌社長
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独コンダット社のステファン・ウィズナーCEO
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Skywareのシステム構成図
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これまでモバイルアプリケーションの開発にあたっては、携帯端末のキャリアや機種、また基幹サーバーソフトにあわせて、それぞれのアプリケーションを開発する必要があったため、開発期間や開発コストが問題になっていた。
Skywareでは、自動ローカライズ(変換)機能により、あらゆる携帯端末への最適化を実現。基幹サーバー内の企業プロセスや各種コンテンツに、携帯端末の機種にかかわらずシームレスにアクセスすることが可能となる。
また、企業の既存IT資源に直結できるコネクター情報として、ERPパッケージではSAP R/3、Oracle E-Business Suite、Microsoft Navision、データベースではSQL Server、グループウェアではLotus Domino、Microsoft Exchangeなどをデータベース化。さらに、モバイル端末にBluetooth対応のGPS(全地球測位システム)ユニットを装着して使用する際のインターフェイスも備えている。
これらによって、ユーザーの利用している携帯端末や基幹ソフトに応じたモバイルアプリケーションを低コスト・短期間で開発できるようになり、コスト面では約3~4割の削減、納期についても4~5割程度の短縮を実現できるという。
販売ターゲットは、業種に関係なく、中小・中堅企業から大企業まで広範囲な業界に対応したモバイルソリューションを提供していく考えで、重点カテゴリーとして、「物流業界、製薬業界のエンドユーザー」、「国内の主要システムインテグレーター」、「SAPを採用している大手企業の基幹業務」の3つを挙げている。
価格はオンライン機能のベーシックサーバーのみの場合で、一般ユーザー対応版が290万円から、SAPユーザー対応版が590万円から。カスタマイズ費用とメンテナンス費用は別途。このほか、オフライン状態でも業務端末機と同様にアクセスして使えるオフライン機能対応版も用意している。
同社では、ベーシックサーバーソフトの販売とアプリケーションのカスタマイズ開発を含めて、1案件1500万~2000万円のプロジェクトになるとみており、年間で2億5000万~3億円の売上高を見込んでいる。
■ URL
株式会社シスラボ
http://www.syslabo.com/
( 唐沢 正和 )
2006/04/14 15:49
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