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日本BEA、OSSと商用ツールの「ブレンドソリューション」戦略を表明


米BEAの副社長 BEA Workshopビジネスユニット担当ゼネラルマネージャー、ビル・ロス氏

ブレンドソリューションが目指す姿

ブレンドソリューションのビジョン
 日本BEAシステムズ株式会社(以下、日本BEA)は4月18日、商用ソフトとオープンソースソフト(OSS)を組み合わせて、最適な企業システムの構築を目指す「ブレンドソリューション」戦略を展開すると発表した。日本BEAではこれによって、アプリケーション開発者に対して、生産性が高く、拡張性に優れたアプリケーション基盤ソフトを提供できると説明している。

 企業アプリケーション構築の場においては、「大半のエンタープライズユーザーは商用のものとOSSをあわせて使っている」(米BEAの副社長 BEA Workshopビジネスユニット担当ゼネラルマネージャー、ビル・ロス氏)のが現状だという。しかし、煩雑なバージョンアップなどの問題が発生しているため、BEAではブレンドした開発環境を提供し、顧客にやりやすい環境を提供すると説明した。

 「OSSを使う際に、より生産性が高まるお手伝いをする。またエンタープライズクラスの規模でも使うことができるものを提供して、WebLogicサーバーの上で使えるようにする」(ロス氏)。

 BEAでは、Apache Struts、Apache Beehive、Spring Frameworks、XML Beans、EclipseといったOSSに対して、「Javaアプリケーションフレームワークに対する動作検証」、「効果的な開発や管理ツールの提供」、「実行プラットフォームの提供」といった施策を行っていくという。

 同社は、Beehiveに対してはJavaアプリケーション開発の促進を目指す目的で、2004年5月にオープンソースプロジェクトを立ち上げているほか、Eclipse Foundationに2005年2月に参加するなど、OSSとは関連が深い。ロス氏も「実際に、開発が行われている取り組みをサポートしてきた。それだけでなく、OSSの技術を自分たちが使ってきたからこそできること」と述べ、ブレンドソリューションはとってつけたものではなく、自らの力で築きあげてきたものだとした。

 また2005年9月には、Eclipseベースの開発ツールメーカー米M7を買収。11月にオブジェクト永続化エンジン「Kodo」を持つSolarMetricを買収している。日本BEAでは、今後これらの製品を自社のソリューションに組み込むことで、「OSSのJavaアプリケーションフレームワークを有効活用できるように努めていく」としている。

 具体的なソリューションとしては、4月から提供開始した「BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2 ベータ版」と、米国で販売を開始している「BEA Workshop Studio 3.0」がある。前者はEclipseベースに生まれ変わったIDEで、Apache BeehiveやWebサービス、ポータルアプリケーション開発をサポートするもの。後者はM7の「NitroX Studio」をベースにしたもので、Struts、Hibernate、JSF、JSPなどに基づくアプリケーション開発をサポートする。

 両者は将来的には統合される予定。2006年中に簡単な統合を済ませた後、6カ月以内に完全な統合を果たすという。統合後の製品についてロス氏は「OSSフレームワークを使ったときの問題は、結局は手作業になること。BEA Workshopではグラフィカルに、簡単にアプリの構築が可能になる。手作業のXMLのコーディングをしなければならなかったものが、画面を使ってできる」と述べた。国内でも米国より数カ月遅れて提供される予定だ。



URL
  日本BEAシステムズ株式会社
  http://www.beasys.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.beasys.co.jp/news/japan/2006/2006041801.html

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( 石井 一志 )
2006/04/18 19:19

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