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今すぐ使えるASPの営業支援ツール「salesforce.com」


 salesforce.comは、ASPによるアプリケーションサービスの成功事例として注目を集めており、米Microsoftや米Oracleなど巨大ベンダーさえ、意識せざるを得ない存在となっている。しかし、日本ではまだまだ認知度が低く、サービス内容もあまり知られていないのが現状だ。今回、株式会社セールスフォース・ドットコム執行役員 製品統括本部長の内田仁史氏に、同社が提供するSalesforceの基本機能について話を伺った。


Salesforce無料トライアルのログイン直後の画面。30日間利用できる
 Salesforceは、ASPで提供される営業支援ツールだ。そのため、自社内に専用サーバーを用意することなく、同社のWebサイトから申し込むだけで、ほとんど待つことなく利用できる。また、30日間の無料トライアル(5ユーザーまで)も用意されているので、関心があるのなら一度実際に操作してみるのがいいだろう。

 今回は、その無料トライアルおよび参照用デモページの画面などを紹介しながら、基本的な機能を紹介する。

 ログインすると、個人のトップページが表示される。グループウェアなどを使ったことがあれば、それほど違和感のない画面だ。画面上部には、取引先情報や商品、営業の進ちょくなどを確認できるタブが用意されている。

 情報の入力はシンプルだ。画面左側に用意されている[作成]から、入力したい項目を選ぶと、入力用の画面に切り替わる。赤いラインがついているボックスは最低限入力しなければいけない項目となっており、これら必要事項を入力すればそれで終了だ。これ以外にも、各タブごとに簡易入力画面が左側に表示されるので、それを使ってもかまわない。継続して使い続けてもらえるよう、シンプルな入力となっているのは好感が持てる。

 リードタブ(参照用デモページでは見込み客)では、いわゆる見込み客を登録・管理できる。どのような方法で見込み客にアプローチしているのか、現在どのような状態なのかを管理できる。見込み客を登録すると、今後の活動予定の入力やこれまでの活動状況などを確認できる。それぞれの活動内容はSalesforceで管理でき、他者に対して公開・非公開の設定が可能。この機能により、上司は部下の行動内容を把握でき、また部下にとっては登録することで上司への報告が済むという仕組みだ。また、スケジュール機能と連動しているので、見込み客へのアプローチ漏れを減らす効果もある。


見込み客の登録ページ。項目は自由にカスタマイズできる 見込み客の状況も選択して入力できる 見込み客がどのような方法でコンタクトしてきたかも登録できる

 見込み客との間で具体的な商談が始まると次のフェーズに進む。リードでの活動内容の登録画面には[取引を開始する]というボタンが用意されており、これをクリックすると、見込み客を取引先・商談として登録できる。商談タブでは、現在抱えている商談を管理できる。商談部分では、現在の取引状況を細かく設定でき、商談の進ちょく状況も視覚的に把握できる。

 同じ要領で、契約書の管理や商品管理も行える。こうして蓄積したデータは、レポート機能やダッシュボード機能で手軽に確認ができる。特に商談の進ちょく状況や見込み客へのアプローチ状況などを視覚的に確認できるため、責任者にとってはより精度の高い情報を得ることができ、またどの部分を強化すればいいのかも把握できる。


商談の入力ページ。商談の細かな経過なども登録できる 商談の進ちょく状況などを元に売上予測の分析もできる ダッシュボード機能。部門別や商談のレベル別などさまざまなビューで確認できる

 内田氏は、「柔軟性の高さが、Salesforceの最大の特長です。一般的なASPサービスですと、カスタマイズできる項目が限られていますが、Salesforceの場合ですと500項目まで設定ができます。また、病院で利用する場合、“取引先”という用語に拒否感を示すなど、業種により使われる用語はさまざまです。こうした用語も変更可能ですし、データベースのテーブルをカスタマイズすることも可能です」と、ASPサービスとして柔軟性の高い点がユーザーの支持を得ていると説明。また、企業の基幹システムとのデータ連携も可能なのも特徴となっている。

 とはいえ、企業によっては継続的に使いこなせない場合も少なくない。「ASPでサービスを提供していますので、ログイン率やデータ利用率などから、あまり利用されていないユーザーを判別できます。こうしたユーザー企業に対して、どのように使えば継続して利用できるか、機能提案をしています」と、利用率を高めるために、コンサルティングサービスなども提供している。

 利用するユーザー規模や機能などによりいくつかのエディションが用意されている。価格は、Team Edition(5ユーザーまで、ディスク容量1GB)が年額96,000円(税別)。Professional Edition(ユーザー数の上限なし)が1ユーザーあたり7,500円(税別)/月。そのほか、Enterprise EditionやUnlimited Editionなどが用意されている。各エディションとも初期費用は不要。



URL
  株式会社セールスフォース・ドットコム
  http://www.salesforce.com/jp/


( 福浦 一広 )
2006/05/12 18:30

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