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富士通、内部統制強化支援ソリューションの提供を開始


内部統制強化支援ソリューション
 富士通株式会社は5月17日、内部統制強化支援ソリューションの提供を開始すると発表した。

 GLOVIAやTRIOLE、ETURNUSなどの富士通のハードウェア、ソフトウェア、ミドルウェア、サービス、コンサルティング、教育を組み合わせることで、「内部統制文書化」、「不備改善実施」、「運用状況評価」の3段階に体系化し、企業の内部統制強化の支援を行う。


富士通コンサルティング事業本部・小村元プリンシパルコンサルタント
 「富士通の内部統制強化支援ソリューションには5つの特徴がある」と、富士通コンサルティング事業本部・小村元プリンシパルコンサルタントは語る。

 ひとつめは社内実践や米SOX法への対応支援実績をもとにしたノウハウの提供。テンプレートの提供や教育の体系化などで、他社の内部統制支援ソリューションと差別化できるとしている。

 2つめは、業務・経営可視化ソリューションであるValuevisionの提供。業務概要、業務プロセスフロー、RCM(リスク・コントロール・マトリクス)における情報連携と整合性確保が可能になるという。

 3つめは、豊富な企業情報システム構築および運用支援ノウハウを活用した提案が可能なこと。業務フローやITプロセスなどに対する理解と文書化の実績。会計科目と業務のひも付けをGLOVIAの完全論理仕訳機能を通じて提供するといったことがあげられる。

 4つめは、海外で約30社の実績を持つGIM社との協業によるメリット。GIMのこれまでの実績をもとに、テンプレート開発や教育などにも威力を発揮できるとしている。

 5つめがGLOVIAやe-文書ソリューションといった同社が持つ製品による内部統制強化が可能な点だという。また、セキュリティ関連ソリューションにより、情報セキュリティガバナンスの実現もできるとしている。


富士通プロフェッショナルサポートビジネスグループ長・平田宏通経営執行役常務

プロジェクトEAGLE
 「日本の企業においては、会社法、金融商品法などの企業経営の透明性や財務報告の真正性を確保するために内部統制の強化が重要な課題となっている。そのなかで、当社は、昨年6月に、日本版SOX法に対応し、業務プロセス改革を目指す『プロジェクトEAGLE』を立ち上げた。専門部門であるThe FUJITSU Way推進本部を中心に、ビジネスプロセスの『見える化』を行い、シンプルで透明なビジネスプロセスへの移行を図っている。こうした実践ノウハウを、内部統制強化支援ソリューションとして、顧客に提供していく。その点が他社とは大きく異なる点だ」(富士通プロフェッショナルサポートビジネスグループ長・平田宏通経営執行役常務)と位置づけている。

 同社では、内部統制強化支援のための具体的なソリューションとして、内部統制強化ソリューションサービスを用意。米SOX法対応の実績を背景に、内部統制文書化支援、内部統制有効性評価支援、内部統制不備改善・統制強化などのコンサルティングサービスを実施する。同時に、内部統制プロジェクト管理テンプレート、統制範囲決定(スコーピオン)支援テンプレート、ソリューションテンプレートなどを提供する。

 また、内部統制ライフサイクルマネジメントソリューション for SOXとして、内部統制強化プロジェクトのライフサイクルを一貫して支援するITツールを提供。そのほか、業務統制の不備改善および統制活動を強化する業務統制支援ソリューション、不備改善フェーズの課題抽出からシステム構築までをソリューションとして提供するIT全般統制支援ソリューション、内部統制対応の基礎から応用までの知識およびノウハウを提供する教育・研修サービスを用意している。

 内部統制強化コンサルティングサービスは、300万円(税別)から。教育・研修サービスは1人あたり5万円(税別)からを予定している。

 同社では、これらのソリューション提供にあわせて、専任コンサルティング要員を80人体制としたほか、2007年までに200人に増員する。また、内部統制研修センター(仮称)を8月に設置して、教育検証サービスやデモストレーションなどを行う場を提供していく。

 「内部統制に関する市場規模は2008年までに6000億円規模の市場だといわれるが、そのうち10%のシェアを獲得したい」(平田経営執行役常務)としている。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/05/17-1.html


( 大河原 克行 )
2006/05/17 15:37

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