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NEC、中堅企業向けERPパッケージ「EXPLANNER/Ai」を投入


NEC・岩波利光執行役員常務

EXPLANNERの製品体系
 日本電気株式会社(NEC)は5月23日、中堅企業向けERPソリューション「EXPLANNER(エクスプランナー)」を刷新するとともに、販売体制を強化すると発表した。

 EXPLANNERシリーズは、これまでに2万件の導入実績を持つ中堅企業向けERPで、流通業向けを中心に展開する「販売」をはじめ、さまざまな業種に対応できる「会計」、「人事給与」、「債権/債務」で構成するEXPLANNER/Aと、製造業向けのERPであるEXPLANNER/J、建設業向けERPのEXPLANNER/Cで構成される。

 NEC・岩波利光執行役員常務は、「中堅企業におけるERPの利用はわずか13%にとどまっている。それらユーザーの不満点は、機能不足により、実務実態にあわせたカスタマイズが難しい、パッケージにあわせた業務プロセス変更の不合理性、従来のサービスレベルの維持が難しいという点にある。今回の新製品では、開発フレームワークである「System Director Enterprise」を提供することで、柔軟なカスタマイズを可能とし、業務内容との整合性が図れる。パッケージと手作りのメリットを追求した製品」と位置づける。

 新たに発表したEXPLANNER/Ai(エクスプランナー・アイ)は、EXPLANNER/Aの後継にあたるもので、過去からの資産を継承するとともに、NECのシステム構築統合開発環境System Director Enterpriseを活用して機能の追加や改変を容易にした点が特徴。開発期間を大幅に短縮できるメリットもあるという。

 「中堅企業向けERPで開発フレームワークを同時に提供するのは国内で初めて。これにより、実業務と、業務フロー/設計情報、そしてシステムとを、イコールで結ぶことができる。業務変化に対する柔軟な保守性の実現、ハードウェアおよびプラットフォームの変化への即時対応を可能とし、TCOの削減を実現する。さらに内部統制強化支援機能も提供することで、業務の可視化を推進できる」(NEC・岩波利光執行役員常務)としている。

 最小構成価格は100万円から。8月から出荷を開始する。


NECソフトの大谷啓史執行役員
 また、EXPLANNERシリーズの事業強化に向けて、NECソフトに約300人体制で、EXPLANNER事業部を設立。同事業部は、製品開発および強化を行うEXPLANNER開発センターと、SIパートナーなどへの支援を行うEXPLANNERサポートセンターで構成する。さらに、NEC、NECソフト、NECネクサソリューションズ、NECトータルインテグレーションサービス、NEC情報システムズなどのNECグループ全体の販売体制として、800人体制へ拡充を図る。

 「サポートセンターを通じて、NECが蓄積したさまざまなノウハウをEXPLANNERを通じて顧客に提供。また、顧客からの機能強化要求の一元管理を行い、製品化にフィードバックするなど、ユーザーコンソーシアムとしての役割を担うことにもなる」(NECソフトの大谷啓史執行役員)としている。

 NECでは、2008年度までの3年間で、中堅企業向けERP事業において、パッケージライセンスとシステム受注をあわせて800億円の売り上げ規模を目指す計画で、「2006年度に100億円、2007年度に300億円、2008年度には400億円の売り上げを計画している。2008年度にはこの市場において6%のシェアを獲得し、業界5位を目指したい」(岩波執行役員常務)という。

 また、同社では、2006年度中に、食品業向け基幹業務パッケージおよび物流業務パッケージを順次投入することを明らかにしたほか、これまでNECグループの企業ごとに開発していたERPパッケージの統合化を推進し、EXPLANNERへブランドを統一するとともに、開発/販売ノウハウおよび開発ロードマップの共有化を図ることも明らかにした。


EXPLANNERのサポート体制 NECにおけるERP事業の位置づけ


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0605/2301.html


( 大河原 克行 )
2006/05/23 12:54

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