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富士通、BPOサービスを強化-汎用業務メニューを刷新


富士通の経営執行役、石田一雄氏

富士通アウトソーシングサービスの展開
 富士通株式会社は6月16日、アウトソーシングサービスへの取り組みを強化すると発表した。特に、業務プロセスの一部を専門業者へアウトソーシングする「BPO」の強化を図る。また今回はこの第1弾として、「受付・入力・出力・保管・配送業務」「コンタクトセンターサービス」などのメニューを刷新し、同日より販売を開始した。

 このうち、「受付・入力・出力・保管・配送業務」は富士通エフ・アイ・ピーが中心となって提供する。富士通では全国11カ所にBPOセンターを持ち、エントリー・プリンティング・デリバリーサービスなどを提供してきたが、さらに2006年中には、東京の大田区に1700平方メートルのBPOサービスセンターを新設。顧客ごとの専用区画の設置などによって、セキュリティ対策や一連の業務の効率化を推進するとのこと。また組織体制も強化し、全国1600名のITアウトソーシングサービス提供体制に加えて、BPOサービス提供のため、約500名の専任体制を確立したとしている。

 一方の「コンタクトセンターサービス」は、コーポレイトソフトウェアが中心になる。全国5カ所、2100名のスタッフを抱える同社は、400社以上に対してコンタクトセンターの構築・運用サービスを提供してきた実績があるとのこと。

 富士通の経営執行役、石田一雄氏は、アウトソーシングサービスについて、「これまではデータセンターへ誘致して業務をリモートで行うという方式だった。業務も配送やプリンティングなど当たり前のような事業だったが、業務のプロセスまでのアウトソースの引き合いが増えてきた」と述べ、流れに変化が出てきているとした。

 富士通ではまず、BPOサービスの提供にあたり、多くの稼働実績から見いだしたベストプラクティスを「ビジネスプロセスライブラリ」として体系化する。同社では、これを分析、診断から構築、運用に至るまでの各フェーズで活用し、成果を最大限に発揮できるようにする。あわせて、IT基盤「TRIOLE」をベースに、業種・業務アプリケーションまで含めたアプリケーションオンデマンドサービスとの連動によって、業務集約効果の「見える化」などを実現していく。

 富士通では、サービスの強化によって、アウトソーシング全体で2006年度4600億円の売り上げを2けた成長で推移させ、2008年度に6000億円の売り上げを目指す。BPO単体では、3年で導入企業150社、受注額150億円を見込んでいる。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  ニュースリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/06/16-1.html


( 石井 一志 )
2006/06/19 09:07

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