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IDSシェアー、日本版SOX法対応の内部統制管理ツール


ARIS Audit Manager 3.0日本語版の画面イメージ

代表取締役社長の力正俊氏
 IDSシェアー・ジャパン株式会社(以下、IDSシェアー)は6月20日、内部統制管理ツール「ARIS Audit Manager 3.0日本語版」を提供開始すると発表した。内部統制の視点から可視化したビジネスプロセスを継続的に管理するための製品で、もともとは米SOX法を視野に入れていたが、今回の製品では、日本版SOX法(金融商品取引法案)へ対応するための各種機能が搭載されたという。

 IDSシェアーは、ビジネスプロセス管理スイート「ARIS」を展開しているベンダで、今回のAudit Manager 3.0も、ビジネスプロセスモデリングツール「ARIS Business Architect」との併用を前提としている。具体的には、Business Architectで作成した文書化データから、内部統制項目情報をAudit Manager 3.0へ転送できるようになる。転送された情報からは内部統制項目の定義に従って、リスク定義が登録され、テスト項目が自動生成される。また、テストと有効性の評価を実施し、ステータスの評価と結果を記録することも可能だ。

 これを作業フローに当てはめてみると、Business Architectで設計の文書化、設計の評価・改善を実施した後、Audit Manager 3.0で「運用状況のテスト」、「運用の評価・改善」、「継続的レビューと改善」、「評価結果のまとめと報告」を実施するということになる。同社では、これらのうち、企業にとって最も負担の大きな「設計の文書化」「運用状況のテスト」の両フェーズにかかわる作業を大幅に改善できるとしている。

 代表取締役社長の力正俊氏は「導入の可否を企業が選べたERPなどと異なり、日本版SOX法対応はしなければいけないことだが、力業では効率が悪い。この製品では初年度から2~4倍の効率化が可能なため、優秀な方が(利益に関係ないところで)無駄な力を使わずに済むようになる」と述べた。

 また日本版SOX法においては、内部統制の不備における「重大な欠陥」については、期日までに是正することが要求されてくる。そこでAudit Manager 3.0は内部統制不備を管理できる機能を盛り込んだ。同製品には、海外でのSOX法対応の経験、特にSiemensにおけるノウハウが生かされているというが、旧版にはこの機能がなく、修正していく作業が非常に大変だったとのこと。同社ではこの改善点について、「不備を管理することのできる唯一のツール」と述べ、自信を示した。

 販売にはコンサルティングなどが伴うため、大手のSIerを通じた販売が中心になるとしており、IDSシェアーでは連携体制の確立を急ぐ。Audit Manager 3.0の参考価格は、30ユーザーまでの場合で360万円から。

 「ITが経営に貢献してないといわれているが、ビジネスプロセスに注目しないから失敗しているだけ。プロセスの“みえる化”を通じて、標準化、スリム化、最適化を促進してきた。Audit Manager 3.0はすでに900社から問い合わせをいただいている状況で、今年中に、対象企業の50%に使っていただきたいと思っている」(力氏)。



URL
  IDSシェアー・ジャパン株式会社
  http://www.ids-scheer.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.ids-scheer.co.jp/news/PressRelease/2006/j_20060620.html


( 石井 一志 )
2006/06/20 18:50

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