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すべてのやり取りを保存できる企業向けIM「Yoctoセキュア・メッセンジャー」


代表取締役CEOの渡辺君人氏
 IM(インスタント・メッセージング)と聞くと、フリーのメッセンジャーを思い浮かべる方も多いだろう。しかし、セキュリティ面での不安や管理機能の欠如などの問題があり、企業で導入するには障壁があるのが現状だ。株式会社Qriptの「Yoctoセキュア・メッセンジャー」は、こうした不安を解消する製品となっている。同社代表取締役CEOの渡辺君人氏に、Yoctoセキュア・メッセンジャーの特長などについて話を伺った。

 Yoctoセキュア・メッセンジャーは、アプライアンスサーバーの形で提供されるメッセンジャーソフト。フリーのメッセンジャーと異なり、すべてのやり取りをサーバー経由で行うため、ログとして保存することが可能。また、通信もSSL 128bitで暗号化するなど、セキュリティ対策が施されているのも特長となっている。提供される機能は、1対1もしくは複数で利用できる電子会議(チャット)機能、メッセージの送受信が行えるリアルタイムメッセージング、在席確認機能などフリーのメッセンジャーで提供されている機能とほぼ同じ。そのほか、携帯電話からも利用できる。


ステータス表示画面。グループ単位で表示することができる 電子会議機能 リアルタイムメッセージング

携帯電話での表示例。PC版と同じインターフェイスが用意されている Yocto管理画面

 「企業でのIMの利用状況には、いくつかのステージがあると考えている。まず第1ステージは、PCそのものの利用が進んでおらず、メールも定着していない企業。第2ステージは、メールやグループウェアは定着しているがIMの必要性を感じていない企業。この企業では、勝手にIMが使われている場合が多い。第3ステージは、社内業務でフリーのIMを利用している企業。IMの必要性は感じているが、安全性などに目をつぶっているという段階だ。そして、第4ステージは、IMを使っていて問題を認識している企業。この段階の企業では、ISMS認証取得など情報管理を行う際に、フリーのIMの問題点が大きな障害となる」と渡辺氏は説明する。

 情報管理を厳格に行う企業にとって、最適なIMがYoctoセキュア・メッセンジャーというわけだ。「意外かもしれないが、やり取りのすべてを記録できるメッセンジャーソフトは、ありそうでない。Yoctoセキュア・メッセンジャーでは、すべてのログをサーバーに保存できるので、企業にとっては情報管理に効果的」という。

 ただし、改善が必要な機能もあると渡辺氏は話す。「現在、お客様から求められているのがActive Directoryなどとの連携機能。現状、独自のユーザー管理となっているので、次期バージョンでは改善したい」

 とはいえ、すでに大手企業での採用も決まるなど、企業での採用は順調とのこと。渡辺氏は「ほとんど宣伝ができておらず、これまでに採用していただいた企業の多くがインターネットでたまたま検索して発見したという状態。今後はより積極的に製品をアピールしていきたい」と意欲を見せる。

 Yoctoセキュア・メッセンジャーは、アプライアンスサーバーで提供されるエンタープライズ版のほかに、ASPサービスで提供される「ライト版」も用意されている。価格は、ライト版が初期費用2万9800円、月額9800円。エンタープライズ版が、50クライアントの場合で初期Yoctoライセンス・年間サポート費・サーバー構築費などを含めて258万8250円、100クライアントの場合で295万500円。



URL
  株式会社Qript
  http://www.qript.co.jp/
  Yoctoセキュア・メッセンジャー
  http://www.yocto.ne.jp/


( 福浦 一広 )
2006/06/23 08:59

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