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Oracle BI EEの画面イメージ
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システム製品統括本部 営業推進部 Grid Computingグループ担当マネジャー、桑内崇志氏
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日本オラクル株式会社は6月27日、Business Intelligence(BI)ツールの上位製品となる「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」(以下、Oracle BI EE)と、データウェアハウスの設計・構築ツール「Oracle Warehouse Builder 10g Release2」を発表した。両製品とも、提供開始は2006年夏を予定している。
Oracle BI EEは、もともとは米Oracleが買収した米Siebelのソリューション「Siebel Analytics」として提供されていたもの。今回日本オラクルでは、これをOracle BIブランドの上位に位置付けて提供を開始する。
最大の特徴は、Oracle Databaseだけでなく他社のデータベース、データソースにも対応できる点。「TeradataやSQL Server、DB2などに対応可能なだけでなく、その違いを吸収する3層構造のアーキテクチャによって、複数のデータソースを統合的に分析できる。これが、競合製品に対する優位性だ」(システム製品統括本部 営業推進部 Grid Computingグループ担当マネジャー、桑内崇志氏)という。ユーザーはどのデータソースを利用しているかを特に意識せずに、分析を行えるため、異なるデータソースが混在する環境でも、情報資産を十分に生かすことができる。
また、「EAIツールにOracle Databaseのエンジンがくっついたイメージ」(桑内氏)という「Oracle BI Server」を基盤に、ダッシュボード、分析ツールレポーティング、アラートの各機能を統合しているほか、高度なキャッシュの機能による高速レスポンス、クラスタ・レプリケーションのサポートでパフォーマンスを担保しているとのこと。
価格は、プロセッサライセンスでCPUあたり2812万5000円(税別)、指名ユーザーライセンスで1ユーザーあたり18万7500円(同、最少50ユーザー)。
一方、Oracle Warehouse BuilderはOracle BIに最適化されたETLツールで、基本部分はOracle Database 10gに無償バンドルされる。特徴は、「Oracle Database自体がETL実行エンジンになるため、専用のETL用のサーバーを導入する必要がない」(桑内氏)こと。またETLがデータベースのコードとして実行されるため、保守も容易なほか、データクレンジングや影響分析、系統分析といった機能を搭載するなど、専用のETLサーバーと同等以上の機能を持つという。
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常務執行役員 システム製品統括本部長、三澤智光氏
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なおOracleでは、既存のBIツール「Oracle DisCoverer」を中心としたOracle Database向けのソリューションについては、「Oracle Business Intelligence Suite Standard Edition」(以下、Oracle BI SE)として、提供を継続する。Oracle BI EEとのすみ分けについて、桑内氏は「こちらは、Oracle Databaseと密接に統合しているのが大きな特徴で、同データベースをデータウェアハウスにする場合のもっとも安価なツールだ。対してOracle BI EEはクエリレポーティングにとどまらず、あらゆる包括的な機能を提供できる。大企業では異種混在環境が通常で、全体最適化するためのBIプラットフォームとしてはこちらが最適」と話した。
日本オラクルではBIビジネスへの取り組みを全社的に強めており、製品提供以外の施策も積極的に行っている。今回は、営業、コンサルティング、プリセールス、カスタマーサポートなどを担当するBI専任組織を80名体制に拡充することが発表されたほか、無償で提供してきたBI導入支援サービスを強化。「Business Intelligence Express Service -Premium-」として、BIの「設計」「構築」のサービスに対応した有償のメニューを追加し、導入のためのモデリングから、パフォーマンス診断、サイジングサービス、経営層向けのダッシュボードの短期構築などを提供する。
「昨年度までは認知度が低かったものの、フルリニューアルに伴って、ツールセットも競合他社に劣らないものが整った。従来からデータウェアハウスのシェアは非常に高く、このブランドイメージとフロントエンドのツールセットを組み合わせて、認知度を高めていきたい。07年度中にBI市場でのナンバーワン獲得を目指す」(常務執行役員 システム製品統括本部長、三澤智光氏)。
2007年度の販売目標は、前年度150件だったOracle BI SEが200件、Oracle BI EEが20件。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
ニュースリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1585
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1586
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1587
( 石井 一志 )
2006/06/27 17:38
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