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マイクロソフト、中規模向けビジネスアプリケーション「Dynamics」を9月より展開開始 |
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米Microsoftではこれまで、ビジネスアプリケーションベンダであるデンマークNavisionと、米Great Plainsを買収し、その製品を「Dynamics」ブランドで再編してきた。国内ではまだ本格的な展開は始まっていないが、米国ではDynamics AXをはじめ、同GP/VAN/SLの各ERP製品と、独自開発したCRMアプリケーションであるDynamics CRMを発売している。 今回の発表は、このDynamicsによって、マイクロソフトがこれまで踏み込んでこなかったビジネスアプリケーション分野に、ついに進出する意図を示したものだ。しかしビジネスソリューションズ事業統括本部 製品マーケティング本部 本部長の御代茂樹氏は、「今回は業務アプリケーションを出すが、完全にパッケージとして提供し、パートナーにそれを運んでもらうビジネスは意図していない。当社はパートナーモデルでビジネスをしており、パートナーがソリューションを提供するためのビジネスを新たに増やしたということ」と述べ、パートナーのビジネスとの競合を否定。競合製品を提供するのではなく、新しいビジネスチャンスを提供するものであるという点を強調していた。 具体的な施策としては、ライセンス販売のパートナーだけでなく、システム構築やソリューション開発を行えるSIerやコンサルティングファームなどとも積極的な協業を目指す。例えば、パートナーが自身のノウハウをDynamicsの拡張機能やテンプレートを提供する形だけでなく、既存のパートナー製品との連携ソリューションとして提供したり、パートナー自身の製品の一部としてDynamicsを組み込んだり、といった形態での提供も視野に入れている。「後者の例ではコンタクトセンターの顧客管理用途での利用が考えられる。場合によっては、Dynamicsがエンドユーザーから直接見えなくなることもありうる」（プロダクトマーケティング本部 製品戦略部長の新保将氏）。 同社では9月のDynamics CRM発売までに、MSPP（Microsoft Partner Program）登録パートナーの中から、少なくとも30社のパートナーを整備したい考えで、すでに5月からパートナー教育を開始しているとのこと。またERPでも、この戦略は変わらないという。「Dynamics AXではパートナーが乗せる部分が多く、CRMよりもパートナーモデルは濃いだろう。限定した数でしかスタートできないかもしれない」（御代氏）としている。 なお現在4つあるERP製品に関しては、次世代ビジネスアプリケーション開発プロジェクト「Project Green」として、製品を集約する方向性が米国で打ち出されている。そのためマイクロソフトでもすべての製品を国内で販売するのではなく、Dynamics AXに限って展開する方針で、御代氏は「ERP製品は1～2製品への統合を計画しており、拡張しやすい、統合しやすい製品構造を持っているDynamics AXに集約するされる可能性が高い」と、Dynamics AXを選択した理由を説明している。 ■ ＵＲＬ マイクロソフト株式会社 http://www.microsoft.com/japan/ プレスリリース http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2771 ■ 関連記事 ・ 米Microsoft、ERP製品のロードマップを発表、2段階で統合（2005/03/09） ・ 米Microsoft、中規模ビジネス向け新ブランド「Microsoft Dynamics」発表（2005/09/08） ・ 米Microsoftが「Dynamics CRM 3.0」発表、ホスティングでも提供（2005/12/07） ・ マイクロソフト、Dynamics CRMの特徴を紹介－「活用する人のためのツールを目指す」（2006/07/25）
（ 石井 一志 ）
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