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マイクロソフト、Dynamics CRMの特徴を紹介-「活用する人のためのツールを目指す」


プロダクトマーケティング本部 製品戦略部長、新保将氏

製品マーケティング本部 プロダクトマネージャの吉田周平氏
 マイクロソフト株式会社は、ビジネスアプリケーション製品群「Microsoft Dynamics」の第1弾として、CRMソフト「Dynamics CRM 3.0」を9月8日から提供開始する。7月25日には発売に先立ち、プレス向けの説明会を開催。同製品の特徴などについての説明を行った。

 「売り上げをあげたことはわかっても、どうやって出したのかがわからないなど、個人の営業活動に限界が出た。また個人の営業活動だけでは、その結果ががんばった成果としてもたらされたものなのかがわからない。そこで、顧客をシステムで管理しないといけないのではないか、と考えられてきた」-マイクロソフトのプロダクトマーケティング本部 製品戦略部長、新保将氏は、CRMツールが登場した背景をこう分析する。しかし新保氏は、「従来のCRMは上司に報告するためのもので、新たな作業が増えただけ。集めたデータを組織内で情報共有しないと、アクションを分析したり戦略をたてたりしていくことが難しかった」と述べ、課題が完全に解決したわけではなかったとも話す。

 そこでDynamicsでは基本的な考え方として、「活用する人のためのツール」(同氏)を目指したというのである。具体的には、「使いやすさ」「経営への活用」「カスタマイズしやすさ」を意識し、開発が行われているという。

 まず使いやすさでは、Microsoft OfficeやWebブラウザをフロントエンドツールとして利用できるようにして、直感的な操作ができるようにしたほか、教育コストの低減を実現できるとのこと。「はじめて使うユーザーであっても抵抗感なく使いこなせるかどうかは大きな要件。Outlookから起動して同じインターフェイスで使ったり、Excelへ適切なデータを取り出して、常に動的に、CRMのアプリケーションと連携して動作させたりすることも可能」(製品マーケティング本部 プロダクトマネージャの吉田周平氏)。

 また経営への活用という点では、「蓄積されたデータをいかに可視化して情報活用していくかという、経営に優しいシステム」(吉田氏)に仕上げたという。「業務系アプリケーションとして日々の営業、マーケティングの活動を支援というだけではどこかで限界が来る。BI(ビジネスインテリジェンス)の敷居を下げて、エンドユーザーがすぐにでも使える仕組みを、Officeとともに提供可能なのが特徴だ」(同氏)。

 最後のカスタマイズ面では、「CRMは標準化できる部分が少なく、固有の業務要件を取り込み、競争優位性のあるシステムにしたいという要望は多い。しかし従来のパッケージでは標準の業務領域の一部のみをカバーしているだけだった」と既存ソリューションの問題点を指摘。Dynamics CRMではこれをクリアするため、専用Web開発ツールを同時に提供し、ユーザー自身でカスタマイズを行いやすいようにするほか、「開発フレームワークを提供し、パートナーが追加開発分を含めた1つのソリューションとして顧客に提供できるようにしている」と説明した。あわせて、「小さく入れて大きくしていける拡張性がある。開発者に負担をかけないシステム運用が可能」というメリットもあるとしている。


ユーザーは使い慣れたOutlookをインターフェイスとしてDynamics CRMを活用できる 見た目はExcelだが、扱っているデータはDynamics CRMと連動している 米国でのパートナーによるカスタマイズの例。業界特有の要件が追加されている


URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 石井 一志 )
2006/07/25 18:32

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